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中国経済に不動産しか残らない時

Posted on September 18, 2013 By 何清涟 No Comments on 中国経済に不動産しか残らない時

何清漣氏 @HeQinglian

2013年9月16日

全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

http://twishort.com/XmSdc

2013/9/17

9月13日、『南方周末』が「温州の不動産転がし集団が転んだ」という記事で、不動産の持ち主が万に上る住宅、賃貸マンションを放棄し銀行の担保や抵当にした、と報道しました。それぞれのマンションは一個100平方メートルで計算すると、すでに2012年の温州市の1年分の住宅供給量を超過しているといいます。温州の住宅転がしの資金はほとんど民間のものなので、それが果たしてバブルのドミノ崩壊の最初の1枚のカードになるかどうか、他の地区ではなんとか僥倖を願っています。しかしこのバブルが短期間に破裂しようがしまいが、この中国のダントツの『基幹産業』の”棚卸し”とそれによって産まれる数々の悲劇や騒ぎは中国の「平和と繁栄」の前途に「出鱈目な」の文字を加えたくなるようなものです。

《メッキの繁栄は誰が支える?》

不動産への過剰投資は中国経済の構造をずっと畸形化し続けて来ました。以下は国内メディアの公開記事によるデータですが、2013年上半期の不動産総投資は国内生産総投資の14.8%、2012年同期は13.5%。そのうち住宅地が全不動産投資の7割にもなります。不動産投資より多いのは唯一製造業だけでそのGDP比率は18.7%あります。しかし製造業はすべての第二次産業の固定資産投資を含むもので、不動産は第三次産業の一部門に過ぎません。第二次産業の部門別投資額と較べると不動産投資の占める比率はきわめて不正常です。

日本や米国のデータと比較すると中国のバブルの大きさがわかります。経済バブルのピーク時に日本の不動産投資はGDPの9%を越えてなかったのです。米国では2008年の連邦住宅金融抵当金庫と連邦住宅抵当公庫の引き起こした経済危機(*リーマンショック)時でもこの数字は6%を越えなかったのです。これでわかるとおり不動産だけがダントツ状態で、中国の「メッキした平和と繁栄」をなんとか支えているのです。

《半分海水、半分火焔》

現在、中国の不動産開発には「最高級の住宅団地」と「幽霊都市」の併存現象がみられます。何年も前の流行語でいえば「半分は海水、半分は火焔」の状態です。次々と「最高級住宅団地」を売り出す大都市、地方政府、不動産開発業者は真夏を楽しむサーファーの黄金の夢です。しかし「幽霊街区」の開発業者や購入者はますます燃え盛る炎のなかで身を焼かれる状態になっています。こうしたプロジェクトを支えた地方政府はまだ火傷してないとはいえすでにアッチッチの状態です。

つい先の5月、土地市場はオーバーヒートし、不動産土地争奪戦争は多くの都市で次々におこり、超高級住宅地、地価高騰、地方政府の土地売却収入の新記録を記録しました。上海の易居不動産研究院の「2013年5月都市土地成約報告」のデータでは今年5月、十大都市の土地売買成立量は大幅に増え、土地譲渡金の収入合計は669.9億元。同比増392.6%。つまり4倍にもなりました。北京、上海、広州、杭州等の1、2線級としでは超高級住宅地が度々売り出され、住宅は供給不足でした。北京の上半期の土地売却収入は1000億元を越え、去年の一年間の600億元を遥かに突破しました。しかし北京や上海等の都市政府が土地の売却代金でホクホクしているとき、かのオルドスの有名な幽霊街区の他にも营口、常州等の3、4線級都市では大量の幽霊街区が出現しています。全国の「幽霊街区」はどのぐらいあるのでしょうか?今年7月の「時代周報」の「中国新幽霊都市」によると十二箇所に著名なものがあるといいます。これは当然全国に何十もある幽霊街区の中で有名なものだけです。

《誰が買うのか?》

今回の政府がさっぱりいい智慧もでないまま、不動産業を「新市街化計画」と名前を変えて再度売り出そうとしており、この計画は20年間にわたり毎年20の都市を作ろうというものです。3、4線級の都市の「幽霊街区」があちこちにある時に、あらたに何千万の新住宅を買う人々がいるのか、ということが新市街化計画の最大の不確定要素です。

中国の住宅価格と収入の比率は世界最高で、北京は25倍、上海は20倍、全国平均で大体8倍。このはるかに世界平均を超える比率のため、中国人の8割以上は家を買えません。ならば中国がどんどん新しい住宅を作り出して、一体誰が買うのでしょう?胡润研究院の『2013年中国千万長者のブランド傾向報告』によると、64%が不動産を投資先の一位にあげています。この比率は4年連続、6割を越えています。これら身分を公開している投資者のほかに、中国の役人が購入者の一大集団です。

2009年、上海2000人の市の管理級幹部が不動産を申告しろと言われたことがありました。その結果、上海市紀律委はこまったことになってしまいました。役人達は政府が「悪人をおびき出す」のを怖れて、あとで申告したら罰が重くなるとおもって、ビクビクしながら自主的に申告した結果、4〜6のマンションは当たり前、ひどいのは十数戸の所有を自発的に報告した役人もいました。

この連中はどうしてこんなに沢山、マンションを持っているのでしょうか?その秘密は低価格購入です。不動産関係の部門にいる役人が「甘い水に近いほうがおトク」なこと以外に、ひとつの不動産開発には往々にして工商、税務、企画、金融、司法、その他県政府レベルなど多くの部門が絡むからみな賄賂の対象になります。これらの役人は不動産会社がその利用価値から計算して、それぞれ3割から5割引でー実際には賄賂ーで購入させたものです。

上海が例外、などということはありません。不動産を溜め込んでいる役人は全国にゴロゴロしています。数年前に住建部が40都市の住宅情報システムをつくろうとしたがそのネット化は再三、各地の役人の強力な抵抗で延期になったままです。2013年一部の「不動産一家」が暴露されてから、地方政府ではいそいで住宅情報の公開を禁止する法律が作られました。8月中旬国家財政部の贾康は公開の席で「ネット化への全国の抵抗は大きく、さらに2年かかるだろう」と述べました。
《不動産市場バブル》

中国のインターネットの調査とヘッジファンドPivotの訪問調査はどちらも3分の2の中国人が不動産バブルははやく崩壊して欲しいと願っていることを明らかにしました。これらの調査対象が家を持つか否かわかりませんがこの願いの産まれる理由は理解できます。中国の不動産価格の高騰によってすでに8割の中国人が購買者からはじき出されてしまっているのです。そしてすでに家を購入した中産階級家庭は父母の借金を背負うか、さもなくば自らが「住宅ローン奴隷」になってしまっています。

庶民が一生かけても一戸も買えないのに、黙って座っていて10数戸、あるいは百戸以上のマンションを買える「役人不動産一家」が始終暴露されています。この両極端の現実の下で中国のネット民は「不動産がなければ新中国も無い」(*「中国共産党がなければ新中国も無い」という有名な抗日戦争時のスローガンのもじり。革命歌にもなっている。参照;v.youku.com/v_show/id_XMTYxMTc1OTU2.html)と叫び、 政府に土地と利上げ略奪と役人と開発業者の貪る暴利に強烈な怨恨をぶつけている。

投資業界とウォッチャーとも中国不動産業界がバブルであることには意見が一致しています。一致していないのはいつそれが破裂するかです。まだまだイケルとおもう人は大方政府が全力で支えるからこのバブルはまだまだ固い、と思っていて、民間の借金によって支えられた温州の不動産業者がギブアップしたのは根性が足りなかっただけだとみています。ですから、中国の不動産市場を支えるの大黒柱は購入者の政府への信用ということになります。

しかし中国人の政府への信用が如何に強いかといえども、かっての毛沢東思想『精神の原子爆弾』ほどではないのではないでしょうか?アイルランドとオランダはかって繁栄と希望にみちた欧州の国だったのですが、しかし相次いで不動産価格が国家の悲劇を生みました。不動産価格が大幅にさがり、購入者は返済ができず破産の淵に追いやられ、国家の経済全体が不景気の海に沈んだのでした。

中国の実体経済は米国とはくらべものになりません。中国の不動産バブルが破裂した後、アイルランドやオランダにならないと誰が保証できるでしょうか?(終)

拙訳御免
原文の「点评中国:当中国经济只剩下房地产时」はwww.bbc.co.uk/zhongwen/simp/focus_on_china/2013/09/130916_cr_chinapropertybubble.shtml
何清漣氏のこれまでの論評の拙訳は;Webサイト 清漣居・日文文章 heqinglian.net/japanese/ に収録されています。

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日文文章 Tags:不動産, 中国経済, 何清漣, 基幹産業

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