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五毛は中共の”文治”を映す鏡です

Posted on October 20, 2014 By 何清涟 No Comments on 五毛は中共の”文治”を映す鏡です

何清漣

2014年10月19日

全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

http://twishort.com/l6Fgc

このところ十日ほど経済データの分析にかかりきりで、北京で開かれた”2014版延安文芸座談会”といった大事なことにかまっていられなかったのですが16日の鳳凰ネットをみて「環球今日評;習大人が周小平と会見し、仰天するやらやっかむやら』を読んではじめて中国文壇のもろもろの俊英たちが妬ましがるような一大事が起きていることを知りました。(**爺の一言;周小平;四川人、1981生まれ。「ネットのエキスパート分析師」、フォロワー47万人。いわば”ネトウヨライター”?)

《周小平;ゲッペルス的才能を持つ若い後継者)

これを読んでやっとこの座談会で「五毛の大出世劇」が演じられ、「皇帝に謁見」するという”天を驚かせる寵愛を被り一族の誉れとなり先祖の名を輝かせる”ことになったのを知りました。(*爺の一言;「五毛」;中国政府擁護ツィートをする商売。五毛は一元の半分の五角のこと。まあ、「1ツィート5円野郎」みたいなもん…)

”周小平同志”が自分で書いたものによるとシゴトは「互联网资深分析师(インターネットエキスパート分析師=五毛の”正式名称”)」で「ネット権力と文化冷戦の9大奥の手”なる概念を最初に言いだし」、代表作品は「誰がこんなステキな時代を無にできるか」、「君の中国、君の共産党」「米国の対中国文化冷戦の9つの奥の手」等です。表題をみただけでこれらの作品は”第6病室”(*爺の一言;チェーホフの同名の作品、ここでは精神病院の意味)のメンバーが製造するようなもので正常世界の人はこうした文章を書くのは大変困難でしょう。

周小平の光輝ある「語録」から引用しますと;「全世界は北朝鮮より悲惨なのはいわゆる民主国家で全部そうだ。米国に独裁国家と言われたシンガポール、日本、韓国はどれも似たり寄ったりで差はない」。李悔之が紹介してる例では「仏国大統領一人で食事代9600ユーロ(*1ユーロ136円だと130万円ですな)、米国のオバマ一家の一回の飯代は400万米ドル(*4億円以上!)」「ケータイ一台2700万米ドル(*29億円)。この情報源は? ”周同志”が明らかにしないので、李悔之はやむをえず百度でしらべたところデータの出処は”周同志”だったので、さらにグーグルやヤフー、捜狗で調べてみたがやはり、データの出処は”周同志”だったのでした。

これをみてやっとはっきりわかりました。この人物は「鹿を指して馬と為す」(*爺注;『史記・秦始皇本紀』の故事に基づく。始皇帝が死んだ後、悪臣の趙高が自分の権勢を試そうと二世皇帝に鹿を献上し、それを馬だと言って押し通し「鹿です」と言った者は処刑された)人物です。無から有を生じ、白黒を逆転させるゲッペルスの才能をもっていまうし、全体主義政権の宣伝部長にはぴったりの人材です。習近平から謁見の栄誉を賜ったのもけだし当然。いまから育てればひょっとするといつのひか中央宣伝部長の地位につくかもしれません。

《習近平が周小平を接見した”グレートな意味”》

習主席の接見はの恩恵は周小平のためだけにとどまりません。以下に述べます。

第一に膨大な数の五毛たちにひとつの模範を示しました。中共政治文化は儒家の教えの光栄ある伝統を受け継ぎ、それにいささか新しい要素を付け加えました。例えば典型的人物を模範として人民全体に学習させることを民衆教化の方法にすることです。雷鋒(*仲間を助けるために自ら爆死したといわれる兵士)のように全国人民が学習する模範以外に、それぞれの業界にみな代表的人物がおります。かつて毛沢東は龍冬花(*安徽省の労働模範)を謁見し、劉少奇は時伝祥(*北京の糞拾い労働者)を接見しました。(*爺の余計な一言;この時伝祥と http://urx.nu/d8Zd と妙好人・因幡の源佐 http://www.geocities.jp/honkojibb/images/P1040259.jpg があまりにも似てるんで驚いた。時伝祥はまともな人だったにちがいないw。)

これは農民や清掃人夫に新中国の大変前途の光栄な仕事だとおもわせました。いまや習近平主席が周や花(花千芳)といったネットの書き手を接見し”模範の力は限りなし”というわけでつに百万を超す五毛たちは前途に光明を見出し、五毛の職業的栄誉をたかめ、自信をつけたことでしょう。

第二に多くの五毛に周小平を見習わせ、業務の水準を高めさせます。私はざっと「周小平同志」の代表作に目を通してみたのですが、他の人は周の文章をけなした感想が多いのですが、私は彼の文章は同類中では抜群のところがあるとおもいます。

それは言葉遣いがキレイで、五毛が常用する汚い言葉や表現がないのです。これは五毛の仕事で給料は安くしかもできだか払いであっても、労働への姿勢が大きな違いです。”周小平同志”のようにコツコツと仕事に励み、びっくりマークや疑問符をたくさん使うことで強調するという傾向は見られるのですが、しかし汚い言葉を使わないのです。

中共は良かれ悪しかれ60年以上政権を執ってきており、かっての井崗山や延安の時期の罵詈讒謗の多い癖は治ってきました。ところがいま、こうして膨大な数の五毛を使って汚い言葉で罵るのを生業とさせているのは実際、中共の「光輝あるイメージ」をいささか損なうところがあります。だから習主席は周小平同志のやりかたに道理を見出して模範として五毛たちのレベルアップをはかったのです。

第三には五毛業界を新興職業として格上げして五毛になる思想的な障害を取り除いた事。五毛という業界は誕生した日から、大多数の従業者が別にそれを終生の職業にしようとなどおもわず、自分の本当の名前は出したがらなかったのです。でも「恒産あればあれば即ち恒心あり」(*爺注;孟子;「安定した収入がないと安定した気持ちもない」の逆)です。五毛というこの職業がいまや「中共党と国家の柱」として認められ、政府の輿論維持装置としての力を発揮するためには本名でなければなりません。「聖上」はその代表的人物を接見することによってこの業界を正業だと認めさせるベストの方法をとったのでした。

適切な時期が来たら、「中国ネット作家協会」とかつくって、作家協会と同様の地位を与え、正式の閣僚級の地位を与え、五毛たちに正式の公務員試験を受けさせ、この業界を中国の一大新生職業として、さらに何人かの国務院のお墨付きありの「五毛専門家」を選抜すれば、かくて中国の200万人といわれる輿情分析師はすでに収入のすこぶる良い正式な職業となります。五毛の従事する業務は性質は似ていますが、技術は大していりませんが、しかし最高指導層は公平に情熱や仕事への積極性を考慮して人事配置するでしょう。

以上が習主席が周小平を接見した”グレートな意義”を深く読んでみた結果です。ついでにいいますと100万を超える五毛の数は政府の公表した全国ネット輿情分析師の数が200万人というところから推算しました。あるいは政府の数字が正しければ100万より多いかも、です。

《誰が周小平に嫉妬する?》

「環球今日評」は習近平が周小平を接見したことで「中には心に酸っぱい、苦い様々な思いを抱いた人々も」と書きました。(*爺の一言;「うがった見出し」と簡単に訳した元は“有人心里打翻了五味瓶” 誰かさんは心の中で苦い、辛い、甘い、酸っぱい、塩辛いの調味料の瓶をひっくり返したような思いをした、ぐらいですかねw)

つまり周に嫉妬したといいたいわけです。でもこの嫉妬するためには資格が必要です。敵対勢力だの「マイナスになるやつ」と中共に思われてたらその資格はまったくありませんし、一般平民もこの種の嫉妬とは無縁です。ですから嫉妬を感じられる人たち、というのは基本的に周小平の”同志たち”で例えば、環球時報の編集長の胡錫進氏ですね。

公開情報によると胡氏は北京在住で習主席から距離も近いのに未だかって”聖上に謁見”を賜る栄誉に浴したことがなく、この周接見の報に酸っぱいやら苦いやらの思いが湧き上がってきたのでしょう。さもなければあんなうがった見出しをつけられるものですか。胡氏の環球の記事からインスピレーションを受けて、ネット上には様々な憶測や微信には「周の栄達に、甘三桶は頭を地にぶつけ、余含は天を仰ぎ長嘆息」とおおくの”精英”たちを歌い込んだ四行詩も登場しました。

《五毛は中共”文治”の映像》

すくなからぬ中国人が「習近平はなんとネットのライターなんぞとあって、こんなつまらぬ奴らが堂々と文化交流会にでるとはなんという文化界の恥辱で、大国の面目丸つぶれだ」とおもいました。さらに、中共の歴史上、こんなレベルの低い周小平のような宣伝屋がいたことはなかった。毛時代の郭沫若と比べても恥知らずなのは同じだが、レベルはまるで雲泥の差だ」と嘆くひともおりました。(*爺の一言;郭沫若がなぜこう言われるかについては日本語wikiでどうぞ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%83%AD%E6%B2%AB%E8%8B%A5)

私が思うにこうした批判者は、専制制度のもとでは君臣は合い助け合う関係にあるということがおわかりになっていない。明君だけが賢臣や清臣をよく用いることができるのであり、暗君の朝廷には阿諛追従の臣下、奸佞な臣下しかおりませぬ。

万暦帝は大人になってから恩師の張居正とあうと具合がわるく、こわがりましたが(*張居正がいる間は中興の明君といわれたが、その死後、暗君になった)それは自分が努力せず治国の師の前では不安を感じたからです。毛時代に郭沫若がいたのは毛のレベルが決定したからです。

毛は清末にうまれ民国のはじまりに成長し、旧学問を修めそのうえに感性もあり中国の古典や歴史、諸子百家の教えに親しんでいました。話ができる相手にだから歴史家が必要で郭沫若と范文澜は歴史学の大家でかつマルクス主義の信奉者でした。

ですから一度は寵愛を被ったのですが、文革時期になって范は世を去り、郭は放置されました。毛は仕方なく侍女の猛錦雲を”猛夫子”(猛夫子=孟轲)と呼んだりして自分の古典の教養をひけらかしましたが、誰も古典をわかる人が周りにいなくなった寂しさは老いの身にはさぞ寂しかったでしょうね。(*爺注;毛の晩年の愛人の猛錦雲は小学校卒の学歴しかなく、毛は晩年このような相手にしか古典の教養を語れなかった)

今日の中国はとっくに「黄金の鐘は壊され捨てられて、つまらぬガラクタが大威張り」の時代です。「五毛」などというものが出現したのは完全に中共がインターネット時代に政治的必要があったからです。五毛従事者のレベルは中共の教育事業のレベルによって決定されます。

毛の特徴は歴史を好み(彼のために特大活字で印刷された)、江青は米国映画を好みました。しかし一般人はこうした封建的資本主義的な作品を読むことは許されません。ですから中共政権は初めから人文教育が欠乏していました。

現在、少数のネット評議員の専門家以外、大多数の五毛はつまりは中共式教育の制式産物なのですから、比べてみたら、周小平同志はまだそれでも五毛のなかではごく上等の部類なのです。権力に仕える文化のレベルは統治者のレベルにほかなりません。五毛は今日の中共の「文治」の鏡です。唐詩を借りれば「照花前后镜,花面交相映」(*花の前後の鏡が互いに映しあう)です。

中共は五毛というこの鏡の中に自らの”光輝”の姿をみるとともに、自らがつくる「文化大国」の前途もまたみることができるでありましょう。(終わり)

拙訳御免。
原文は「五毛是中共“文治”的一面镜子」; http://www.voachinese.com/content/he-qinglian-20141017/2487912.html
何清漣さんのこれまでの論考は;http://yangl3.sg-host.com/japanese/

 

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日文文章 Tags:五毛, 何清漣, 周小平, 習近平

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