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海外民族主義とぶつかる中国海外原料投資⑵

Posted on September 5, 2016 By 何清涟 No Comments on 海外民族主義とぶつかる中国海外原料投資⑵

何清漣

2016年8月26日

全文日本語概訳/Minya_J., Takeuchi Jun

 

https://twishort.com/nSUkc
(海外民族主義とぶつかる中国海外原料投資⑴ twishort.com/zrUkcより続く

★資源民族主義の復興は中国に大変不利だが

資源民族主義が起きて一定の時期がたったいま、アフリカでは新植民地主義の代表たる中国に反対するという形をとります。アフリカのインテリエリートとNGOは中国のアフリカにおける資源投資に対して一貫して批判的でした。その内容は三方面にわたり、⑴ 中国はアフリカでエネルギーを奪い取るため環境生態を顧みない”新植民地主義”ないし”経済帝国主義”をやっている。⑵ 中国はアフリカの経済開発でアフリカ人のために幾許の就職機会も与えていない。⑶ 人権を無視して独裁政府を支持している、です。
アフリカでの中国の投資する油田や鉱山が度々、武装勢力による攻撃を受けるのは中国が資源を求めて自ら現地の政治的衝突に巻き込まれているからです。安全問題は中国に海外における安全確保という新しいビジネスを生み出し、それには中国の退役した特殊部隊の軍人が従事しています。

資源民族主義はラテンアメリカではいささか異なった様相をて位しており、その理論的基礎は新マルクス主義の理論である「従属論」または「依存理論」(Dependency Theory)とか依存学派(Dependency School)と称されており、これはアルゼンチンの学者ラウル・プレビッチが20世紀の60年代から70年代に最初に唱えた国際関係発展経済学の理論です。この理論は世界の経済領域にはセンター地域と周辺地域が存在するとして、発達した資本主義国家がその中核部分をなし、発展途上国は世界経済の外縁部を形成して、先進国による搾取とコントロールを受けて、先進国の付属物になってしまうというものです。この理論は新マルクス主義の重要な理論学派の一つで、英米左派学者によって普段に充実・発展させられており、世界に広い影響力を持っています。

この依存理論が貧困国に処方する自主発展への道は、外資の節約と国民の本当の要求に則った産業構造の調整(例えば多くの貧困国は農産品を輸出するが、人々には栄養不足の問題がおきていることなど)です。この理論の影響を深く受けているラテンアメリカでは外資に対して高い警戒心を持っています。データでは中国の巨大な需要がすでにラテンアメリカの経済発展の重要な力になっていることが明らかになっています。ペルー商工会議所の会長は、今年7月分に確認したされた70億米ドルのラスパンパスの銅山買収で、中国はすでにペルーの鉱山採掘の三分の一を抑えているといいます。来年にはラスパンパスの銅の生産は40万トンに達しますがその半分は中国のものです。ペルーの最大の石油生産特別許可5箇所のうち、4箇所は中国石油が株をもっております。国際地球権益組織のペルー担当者によると「ラスパンパスはいまや中国企業のものであり、もしかれらがティンダ銅山まで獲得したら、南アンデスは全部中国人のものになる」と言います。

鉱山資源は再生できませんから、「依存理論」の誕生の地であるラテンアメリカ国家における鉱山開発はラテンアメリカの人々から見ると略奪されている感覚が容易に生じてしまいます。一部の中国企業が購入した鉱山争議の中にはペルー最大の石油採掘プロジェクトがあります。このプロジェクトによる環境汚染は深刻で、異なる4地域の流域で環境危機が発生しています。中国アルミグループが買収したトロモク銅山はモロクチャ村の移民問題を抱えており、今年3月ペルー政府は環境問題を理由に中国アルミに採掘中止を命令しました。8月6日には現地の民間組織FADDIMが中国アルミとペルーエネルギー鉱山省に対して二つの訴訟を起こしました。二つの中国国営企業はエクアドルの採鉱プロジェクトーミラド鉱山と中国石油が新たな石油埋蔵地域を試掘しようとしている(アマゾン熱帯雨林の奥地で世界的に有名なアスニ国立公園内にある)、どちらもエクアドル内外から批判を受けており、原住民が組織するケチュア族連合会(ECUARUNARI)も訴訟を起こしています。このほか、まだ賞玩ペルー鉄鉱の労使衝突やペルーのアプリマク地域で五鉱グループに対しての抗議活動が行われています。

★中国は海外投資失敗の理由に「資源民族主義」を口には出せない

中国が、ラテンアメリカやアフリカで遭遇しているのがまさに「資源民族主義」です。しかし、いかなる形で書かれた分析でも、そのことにはさっぱり触れられていません。
それはふたつの理由があって、一つは中共政権ができたのはまさに世界の近代史上の第三次民族解放の潮の重大な成果であって、毛沢東はそれによって「偉大な民族の英雄」になったわけです。中共政治の用語では、あの「中国人民は立ち上がった」という言葉はただ単に中共政府が国民党政府に勝ったというだけではなくて、さらに、中華民族が「三つの大山」(*帝国主義、封建主義、官僚資本主義)を覆した偉大な勝利、ということになっているのですから悪口をいうわけにはいきません。

第二には1989年の天安門事件以後、中国政府は様々なやり方で新しい民族主義を起こすように努力してきました。それによって西側の価値観が中国のイデオロギーに与える影響力を減らそうというわけでした。習近平が提起している「中国ドリーム」のメインテーマは「中華民族の偉大な復興」で、もし他国の資源民族主義に対して悪評を加えたりしたら、自国の民族主義はどうなんだ?という話になってしまいます。ですから、そうした民族主義にはなるべく穏便に対処するしかないのです。海外投資の苦境については中国国内では十分の一から二ぐらいしか報道していません。

民族主義の悪評はグローバル化の波のもとで初めて生まれた事態です。世界の各民族国家の自分たちの歴史でも、西側の左派歴史学者の眼中にも、近代以来、第三次の民族主義運動はずっと賛美されてきました。ただ冷戦終結後の第四次民族主義では左派の評価もその対象が異なっていることから、いささか違ってきているのです。

民族主義思想の源流は西欧にありまして、17世紀から19世紀の西欧ブルジョア革命運動がその誕生を促したものです。フランスの啓蒙主義運動は欧州の民族主義の誕生に思想的土壌を準備しました。欧州の啓蒙的民族国家建設運動では民族主義は強大なアピール力と感染力をもつイデオロギーでしたし第二次大戦期でさえ「栄光のフランス」はドゴール主義の核心をなしていたのです。

世界の近代史上の4回にわたる民族主義運動の第一次となったのは19世紀から20世紀の初めにかけて東欧とアジアで爆発しまして、その後、急速に世界の他の地域に波及していきました。その前半はロシアの10月革命の影響下に広がったアジア、アフリカ、ラテンアメリカの解放運動でした。後半は第一次大戦収束後のアジア・アフリカ・ラテンアメリカの反植民地、反半植民地の革命運動であって、英国やフランスの西側国家の世界植民地システムの基盤を揺るがしました。その結果、欧州、アジア、アフリカ、ラテンアメリカにはすくなからぬ民族国家が出現したのです。

第二次民族主義運動の潮は第二次大戦以後です。中共の指導下に国民党政府を転覆させる武装闘争は、その「反帝反封建」で中華民族の解放と独立を実現し、中共によって「民族運動の偉大なる巨大な石碑」を打ち立てたと解説されています。その後、1960年から80年にかけて最高潮に達し、アジア、アフリカ、ラテンアメリカ人民は民族解放運動に決起し、その成果として世界中に120を超える独立民族国家が誕生しました。そのうち、アフリカの民族解放運動の革命指導者は深く”毛沢東主義”の影響を受けており、政権奪取後彼らのすくなからぬメンバーが有名な独裁者になりました。

第三次は冷戦終結後です。ソ連の激変と二極構造の崩壊によって、世界各地では新たな民族主義の波がおき、学会ではこれを20世紀第三次民族主義の波、として、その最も典型的なものはソ連崩壊後に出現した多くの民族国家です。

第四次の民族主義の潮が2001年の9.11事件派生後の民族主義で、その三大代表は中国の梅雨か民族復興、中東地区のイスラム宗教民族主義、そしてアフリカ・ラテンアメリカの資源民族主義です。西側では前者二つに対しては一致して批判的ですが、アフリカ・ラテンアメリカの資源民族主義については同情的な支持する態度を見せています。

中共のイデオロギーにおいて民族主義が占める重要な地位をはっきりさせるには、現在の第四次民族主義の潮とグローバリズム(普遍的価値)の対立関係を考えれば、こうした国家がなぜただだかと反米主義の旗印を掲げるのかわかります。中国の海外投資がすこぶる気まずい状態にあるのは、グローバルな投資の合法性というのはグローバリズムの理念からでてきたもので、たとえば投資を通じて経済協力を達成し、ともにウィンウィン関係となって、経済的格差を縮小しようというものです。しかし中国はもっぱら政治的考慮から民族主義をイデオロギーとして普遍的な価値観に対抗させるものとして考えます。こうした状況下で、ラテンアメリカやアフリカの資源民族主義にどうやって大々的に反対するようなことができるでしょうか?どうしたってそれは口にはできないのです。もし言えば、自分たちの中華復興の民族主義は理にかなった理性的なものだけれども、他の民族主義はみな遅れた閉鎖的で非理性的なものだというようなことになってしまいます。

中国の苦境は、資源を国外に高度に依存して、投資を通じて自国にはない、しかし経済発展には欠かせない各種の鉱産資源は手に入れなければならないことにあります。しかし、鉱山資源の非再生性というものから、中国の投資と占有方式はきわめて容易にアフリカ人には植民地主義を思い起こさせ、ラテンアメリカ人にも自分たちがこれまでうけた搾取を自覚させてしまうのです。ですから、中国の海外鉱産資源投資は考え直さなければならないところにさしかかっているのです。

後記;最近、世界情勢についての考えを「グローバル化と難民問題ー動揺止まぬその基盤」twishort.com/wGSkc 「海外民族主義とぶつかる中国海外原料投資⑴」twishort.com/zrUkc に書いて、ドイツ難民聞きや英米の政治危機の一部の原因が地球のグローバル化と第四次民族主義の潮流にあることを整理してみました。全体的に言えば、西側社会は冷戦の終結以後、左派思想が主流に回帰し、ソ連というモデルがなくなったことで消え失せ、さらに北欧の民主社会主義が大変うまくいっていることからも対社会主義(共産主義)への警戒心が失せてしまいました。いま、勃興しつつある第四次の民族主義の潮流に拮抗していくには左派主導の西側社会は十分な警戒心が欠乏しており、とても対抗できるとはおもえません。世界はまたあらたな十字路にさしかかっています。(終)

拙訳御免。
原文は;何清涟:中国海外矿产投资遭遇资源民族主义(2)voachinese.com/..25/3481023.html

 

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日文文章 Tags:中国, 何清漣, 依存理論, 海外原料投資

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