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★米大統領選に焦る世界と米国民情ー新聞を読んでー★ 2016年11月6日

Posted on November 22, 2016 By minya-takeuchi No Comments on ★米大統領選に焦る世界と米国民情ー新聞を読んでー★ 2016年11月6日

 今年の米大統領戦以前、米国の世界の指導者としての地位は揺らいでいました。欧州連合(EU)の大国政府は米国に不満で、友好関係にはあるとはいえ、米国を不快にさせる小さな動きが結構ありました。中国は米国の指導的地位に「新たな大国関係」を持ち出してチャレンジしますし、新興国家群も米国の繁栄はピークを過ぎたとみて、以前のようには言うことを聞かなくなりました。しかし、大統領選で孤立主義を唱えるトランプが共和党の大統領候補になって「当選したら、外国の余計なことになるべく関わらないようにする」と約束したことから、世界各国と人民は突然、「あんなに嫌っていた米国だが、もし『世界のリーダー』を降りてしまったらどうしよう?」と心配しはじめたのでした。

 ★西側世界の表明する本音

 英国の「フイナンシャル・タイムズ」は深い憂慮を率直に表明し、この間、何十もの記事を書いています。最近では「米国大統領選は世界の一大事」で極めて率直に読者に欧州の心配ぶりや憂慮を伝えています。筆者のクーパーは「過去一世紀に、米国本土は2度、恐るべき外国の攻撃を受けた。第一回目はパールハーバーで、二回目は9・11テロだった。そして毎回、米国はそれに応えて世界秩序を変えてしまったのだ」と書いています。

 簡単に要約しますと;ジオポリティクス(地政学)的にいえば、米国は最も安全な「閉ざされた豪邸」に住んでいる。たとえロシアが欧州に攻め込んだとしても、アラバマ州やオハイオ州は全然平気だ。これは、米国の選挙は自国の大半の選挙民より、外国人への影響の方がより大きいということだ。そして米国の大統領は全世界の他の国家を守る力と、他国を粉砕する力を持つと同時に、一切を無視する力も持っている。大多数の米国の選挙民の眼中には「外国」はちっぽけなものにみえるだろうが、しかし、米国内では大統領は議会の抵抗に遭うからそれほどの力は発揮できず、外国こそが大統領が唯一巨大な影響を与えられる場所だ。米国人の暮らしからいえば、オバマの影響力は多分、iPhoneより小さい。

 筆者は欧州の困惑を簡単にこう説明しています。

 「欧州も世界の中では高級住宅地に住んでいるが、米国に比べると戦乱の地に近い。ロシアという大きなクマも東にいるし、東南にはスラム街があって24時間銃声が聞こえている。南はもっとひどく飢餓と死が住んでいる。ちょっと前にオランド・フランス大統領はおおっぴらに「米国は欧州人に自分たちのことは自分で守れという。しかし、我々は欧州の隣人を守るだけで、自分たちの能力の範囲を超えてしまいかねないのだ」と言いました。

 米国に引き続き全世界に関わって欲しいというのは、欧州のインテリだけの考えではなく、民衆の考え方でもあります。シリア難民危機ににっちもさっちもいかなくなったドイツ人のなかでも、少なからぬ人々が孤立主義を唱えるトランプを嫌っており、トランプの壁を蹴飛ばしたりして自分たちの怒りを表明したりしています。(写真;gdb.voanews.com..F_w987_r0_s.jpg)

 第二次大戦後、かつての世界の指導者で「陽の沈むことのない帝国」と称した英国の太陽が山の端に沈んで依頼、米国は世界の国際秩序に、「世界のリーダー」としての責任を、一種の公共財として提供してきました。半世紀の間、米国は「世界の警察」「国際的にあちこちに手を出して、世界をめちゃめちゃにした」とか色々な非難を浴びながらも、苦労をいとわずやってきたのでした。それがこの10年あまりでとうとう疲労困憊で借金も山のようになってしまったのです。

 この疲労困憊というのはこういうことです。

 2013年、米国の中産階級は40%ちょっとになり、人数も全国の半分に満たなくなった。今年4月22日、米国の労働工業統計局のデータでは、2015年の全米の8141万の家庭で、誰も働いてない家庭が1606万あり19.7%に達した。これは5家族に1家族は誰も働いてない家庭があるということ。全米では1億人以上が各種の福祉政策に頼って暮らしている。米国はNATO防衛の主力で欧州防衛の兄貴分ではあるけれども、欧州国家のように自国人民に国民皆保険や無料大学教育を提供できないでいるし、長期安定的な失業保険もない。低所得者層への救済はあるにはあるが、フランス人が一生に400種類の福祉保護を受けたり、ドイツがゆりかごから墓場までの福祉を行ってるのに比べれば、なにほどのこともない。

 ですから、欧州国家の憂慮というのは、その実、「自分たちの国家に人民は高い福祉を必要としているし、自分たちの政府は難民問題の上でヒューマニズムを発揮している。しかし、自国の安全は、アメリカが当然負うべき責任であり、他人に押しつけるわけにはいかないもので、いつまでも続けるべきだ」です。問題の核心はこの一点にありますが、仲間割れは良くない、地域の進歩は平等であるべきだ、世界的の平和的秩序のために、とか言った「ポリティカル・コレクトネス」の上品な言葉に包まれているのです。

 冷戦期間中や冷戦終結後の20年間は、気前のいい米国はたしかに、自分たちには能力があるから、より多くの国際的責任を果たすべきだと考えていました。しかし、現在、米国の納税者は疲れ果てており、一息つきたいのです。ここ数年、ますます多くの米国人が政府は外国の余計なことに手を出すのをやめて、もっと国内のことをやってくれと希望するようになりました。7割以上の米国人が自分たちの国は間違っていると思っています。少し前にVOAが「米国の選挙民は米軍の海外での役割の拡大に反対」という記事で、米国人で次期大統領が米軍の海外での役割拡大に賛成しているのは25%しかいない、米国の選挙民はもうこれ以上海外(とりわけ中東)での関与には強い警戒心を持っていることを明らかにしました。

 米国在住の一人のウォッチャーとして、私は欧州人が米国に引き続き無償の国際秩序という「公共サービス」を提供し続けてくれるのを望むのはわかります。(美味しい思いをしてきたら、その習慣をやめるのは大変です)、また米国の納税者の悩みもわかります。(私も納税者の一人です)。欧州各国の数々の高い福祉制度をはるかに眺めながら、米国の大学生は重い授業料を負担して、福祉も随分見劣りするわけですから、なぜ欧州人は福祉を減らして、自分たちを守ろうとしないのだ?とおもいます。米国政府は米国の納税者によって支えられているのですし、権力は権力の来原に対して責任を負うべきで、米国政府はまず自国選挙民の利益をかんがえるべきだ、と考えます。

 ★「白人の危機」?「福祉の危機」?

 「ニューヨーク・タイムズ」は11月2日に「2016西側の混乱の背後にー白人の危機」は、米国の左派の政治的な見方の典型的なものです。記事は、トランプが右翼ポピュリズムの典型で、その原因は「白人の立場の危機」だとみて、「多くの白人にしてみれば、その身分が自分たちの世界を支える最も重要な柱のひとつだとおもっており、現在それが脅かされていると感じている」としています。筆者は、米国の民権運動と欧州の国境廃止以来、多元文化主義が数十年続いたのに、突然、右翼ポピュリズムの逆転現象がおきたとみています。

 トランプの選挙参戦以来、「民族主義者」のポジションはその支持者のなかにあります。この点はトランプ支持者はアンケートなどではあらわれませんが、こうした「秘密の」支持層の存在は選挙において重要な役割を果たすとおもわれています。

 各種のデータや現場集会などの写真をみると、いわゆる「白人の身分の危機」説は問題を単純化しすぎています。民主党支持者の主体は、少数の知識人エリートや少数派グループのほかに、アフリカ人系(黒人)やラテンアメリカ系の人々と女性です。しかしマイノリティーと女性にも少なからぬトランプ支持者もおり、blacks for Trump,Women for Trump,Chinese for Trumpといったプラカードもすくなくありません。ただ、比率はヒラリー支持者よりかなり少ないようです。

 民族的なマイノリティーたちの考え方は民主党の宣伝より大分複雑で、例えばトランプ支持のマイノリティーたちは、みな違法移民の存在は合法移民に対して不公平だとして、違法移民に反対しています。米国本土のイスラム教とも移民とテロの関係という厳しい現実を明らかにしたとみて、7.4%がトランプを支持しています。CNNの10月26日のニュースでは、ロサンゼルス・ハリウッドのスターたちの手形・足型がある通りでトランプのそれが壊された時、修復後に64歳のアフリカ系の女性がそれを守るためにあらわれて、多くのプラカードを並べて、その一枚には「二千万人の違法移民が米国にいるのに、米国人は道路の上でテントを張って寝ている。トランプに投票を!」と書いてありました。(写真;goo.gl/rMBdHe)

 この話は、米国政府が触れたがらない痛いところを突いています。証明書のない移民への福祉措置が自国民の貧乏人より高いのです。2016年5月9日、ワシントンの移民研究センター(CIS)のだした移民支出報告によると、家長が合法か証明書なしの移民家庭は毎年、6241ドルの福祉措置を受けているのに、家長が米国生まれの場合は4431ドルしか受けておらず、前者が41%も多いのです。最も高い連邦福祉を受けているのはメキシコや中南米の移民家庭で、納税者が納めたお金を連邦福祉として、毎年平均8231ドル受け取り、米国人家庭の86%より高いのです。家長が移民の家庭の受けとる連邦福祉の総額は1030億ドル以上になります。人口調査局のデータ分析では51%の移民家庭がこうした福祉受けているのに、米国生まれ米国育ちの米国人家庭は3割しか恩恵に預かっていません。

 数日前、VOAは「全米各地で投票日に起こりうる暴力事件に対処する準備」のなかで、ミシガン州デトロイトの選挙民、リチャード・ダーリンは、もしトランプが大統領になったら、米国の人口の半分は「脅威を受ける」と感じ、多くの政府の福祉を受けている人々や、違法移民はトランプから圧力を受けると感じるだろうと述べています。「テキサス州は激戦。選挙民は続々と事前投票へ」という記事では、一部の選挙民、とりわけ他国に米国に移民したいと願う親戚や友人がいる人々は、今回の選挙が全世界的な重要性を持っていると感じていると指摘しました。

「副大統領候補がトランプ支持を訴え」という記事では、VOA記者のジブリンがバージニア州のファームビルで、毎日、厳しい仕事に従事する典型的な米国伝統家庭のカロリーン・ボウマン家を取材し、この一家がトランプ支持の理由は大変簡単で、「以前の人々の夢は幸せな暮らしだったが、いまは、働かないで楽をしたい、誰かがそういう幸せな暮らしを持ってきてくれる、とおもっている。政府がやりすぎたからソファに座って、福祉がやってくるのを待つだけ。そうして手にするお金が働いている人より多いなんて…。トランプが彼らを仕事させてくれるだろう」というものでした。

 米国の選挙民にとってみれば、グローバル化の輝きがいかに華々しくても、大統領選挙の実質的な問題というのは自分たちの利益です。トランプ支持者にとっては道理はきわめてシンプルで、「労働して収入があるのが当然。自国の納税者の利益は自国政府が真っ先に考えるべきこと。他国の人民は自分の安全の責任は自分たちで負うべき」だということです。(終わり)

 拙訳御免。
 原文は;读报拾趣:美国大选缘何引发世界焦虑 voachinese.com/..05/3582879.html

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