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★中国経済の外貨準備をめぐるトーチカ戦★2016年12月5日

Posted on December 5, 2016March 2, 2017 By minya-takeuchi No Comments on ★中国経済の外貨準備をめぐるトーチカ戦★2016年12月5日

この数ヶ月、中国経済が世界経済にとって「黒鳥」(*ブラックスワン=従来からの知識や経験からでは予測できない極端な現象)となるかどうかが、国際投資界でのホットな話題となっています。中国政府もおさおさ怠りなく、金融の堤防の一番弱い外為市場を全力で防衛し注視しています。人民元の交換レートをコントロールすることは割と簡単で、少なくとも現在のところ人民元「1ドル=7元の壁」死守に成功しています。しかし、資本の国外流出防止は苦戦しており、中国政府と無数の資本所有者と金融機関、及び「地下銀行」の三つ巴の攻防戦が続いています。

★中央銀行が「中華帝国ボーナス」の現金化を阻む

資本の流出の主力は在中国の外資です。外資銀行は「水に近き楼台は先ず月を得る」という地の利を生かして、競ってさっさと儲けを抱えて撤退しました。中国の外貨準備は4カ月連続で下り続け、10月の外貨準備は3.12兆米ドルで、9月より457.27億元減りました。中央銀行の責任者が今年、何度も「元は大丈夫。人民元の長期・持続的な値下がりの基盤は存在しない」と言っても、中国国内では誰も信用しませんでした。どころか、「元は大丈夫」という言葉は、政府メディアが、例えばイギリスのEU脱退や、トランプの大統領当選、OPECの減産、米のTPP撤退などの国際的大事件が起きる度に、常に登場する「中国は最大の勝ち組だ」とか、「景気後退の中でのベストは中国」といった言葉とともに、当局を嘲笑する2016年で中国の「流行語大賞」的なものとなってしまいました。

中国のメディアは数ヶ月前に「外貨準備死守を誓う」や「外貨準備防衛戦に必ず勝利する」という政府の決心を表明する言葉を使い始め、前後して、個人の米ドル年間利用額を5万元に制限、外資企業のドル交換制限などの「宝刀」を持ち出しましたが、外貨準備減少の勢いを止められないでいます。11月28日には、国家外国為替管理局は新たに、資本流出を抑制し、元の下落防止のために新たな規定を出しました。10億米ドルの巨額対外投資は中央銀行の審査を必要とすること以外に、新たな規定として、合同投資や海外購入を含む500万米ドルを超える海外への支払いは外国為替管理局に報告して批准が必要だと定めました。これ以前に批准された大型投資プロジェクトでも、まだ外国為替の振替が行われていない分にこの規定は適用されます。これまでは報告義務は5000万米ドル以上でした。

この厳しい制限によって、特別なルートを持つ資金保有者以外の大多数のまだ「中華帝国ボーナス」を外貨に換えてなかった場合は、中国国内に閉じ込められてしまいました。「ウォール・ストリート・ジャーナル」(12月1日)は「外資企業の資金移転に新たな締め付け」で、中国の資本管制強化に言及しました。外国企業の外貨に交換できる金額が1割に急降下し、例えば、米国の大統領選挙後、トランプ政府が米国企業の海外に持つ資金に対して、減税するのではないかと予想した米国企業が中国から米国に以前より多くの資金を移そうとする時の、障害になっている、と報じました

ここ数年来、中国人は次々に資産保護のために「中華帝国ボーナス」を海外に送って豪邸を買いまくっていましたが、これでこうした「チャイナドリーム」も難しくなってきました。「新浪ネット」がちょっと前に報じたニュースでは、ゴールデングローブ賞主演女優賞、アカデミー主演女優賞を獲得したオーストラリアの女優・ケイト・ブランシェットはシドニーの海辺の別荘を中国の買い手に2000万豪ドル(1940万米ドル)で売ろうとしましたが、これは5万ドルを超えており、この売買は流れました。豪州の不動産業者は同様のケースが何十件も起きていると語っています。

グローバル化勢力のリーダー空位、中国ではなぜ人気

人民元交換率操作はIMF黙認

人民元の為替レート操作は国際社会に二つの圧力しかありません。一つは国際通貨基金(IMF)と、米国が毎年行う「為替レート操作率操作国」認定です。

 

この第一の圧力は現段階では事実上ありません。というのは中国政府が人民元交換レートを操作しているのはIMF黙認だからです。人民元はIMFの5大通貨バスケット入りを果たしていますが、他の4大通貨にはない、為替レートの政府管制と自由に交換できない唯一の通貨であるという特権を持っています。この特権はIMFが通貨バスケット入りを認めたときから潜在的にあったもので、中国のためにだけIMFの関連規定を修正したものでした。

その関連規定とは、「ある通貨がIMFの準備通貨になるためには一つは輸出がIMFメンバーの上位にあること」で、これは中国は世界最大の輸出国で、条件を満たしています。二つ目は通貨の自由な交換です。中国のためにIMFはゲームのルールを変えて「自由に使える」にしました。中国政府は所が、準備期感がすぎたら自由に交換できるようにするなどとは言っていません。当時の外国為替管理曲調の易網は「中国は条件が熟したらクリーンフロートを行う」と言っただけです。つまり「過渡的な期間」中は、政府管制下で為替レートを浮動(つまり、ダーティフロート)を行う、ということです。そして「条件の成熟」時期は中国政府が自分で判断するのです。今年一年間の観察期間が終わって、人民元が正式にSDRに加入したときでも、IMFは中国に対して自由使用、自由交換について何も要求を出しませんでした。

もう一つの圧力は米国です。米国財務省は毎年、貿易相手国が為替操作をしているかどうかを評価します。次期大統領のトランプは就任したら中国を為替操作国にすると表明していますが、おそらく実際にはなかなか難しいでしょう。というのは米国財務省の規定では「為替操作国とするには三つの条件が必要で、対米貿易が200億米ドルを超えており、経常収支の黒字がそのGDPの3%以上で、繰り返し外国通貨を自国通貨を抑えるために購入し、その一年間の外貨量がGDPの2%を超えることが必要だからです。

中国は第一の条件ははっきり満たしています。2015年、中国の対米貿易の黒字は3567億米ドルで、中韓貿易の総額より多い(韓国は中国の第二の貿易相手です)。しかし、その他の二つの条件は「目標」に達していません。ですから、米国財務省は今年10月14日に再度、中国は「非為替操作国」だと宣言するとともに、特に、「人民元は過去一年に持続して減価したのは市場圧力によるものであって、中国は為替操作を通じて減価して貿易を有利にしようとしたわけではない」と言ったのです。同時に、中国の外為市場に対する関与を「人民元が早すぎる速度で減価して中国及び全世界の経済にマイナス影響を与える衝撃を防止するため」だったとして褒め上げたのです。トランプも正式就任以後、中国を「為替操作国」に指定するにはまず、全体を考慮して、規則を変えないといけないことに気がつくでしょう。そして規則を変えようとすれば公平さが大きな難題になって、中国だけにあわせたオーダーメイドのルールを作るのは大変難しいことにも。

世界はみな、中国の「黒鳥」が飛び立つのを恐れる

2016年、中国経済はさっぱりです。製造業は依然として生産能力削減と債務の泥沼の中でもがいていますし、中央銀行の通貨放水も依然として不動産市場と債券市場でもがいています。唯一の慰めは、世界中の多くの国家もろくな状態ではなく、中国のBRICs仲間の南アフリカ、ブラジル、ロシア、インドも現在、急激なインフレにおちいっており、国家経済停滞の苦境にあり、メッキがはげて地金が現れています。EUは更にひどく、ドイツ銀行は渋々、来年のEU金融は崩壊しかねないと警告を発しました。ですから、海外の専門家は中国に「なに、99%の国は中国よりもっとひどいさ!」と慰めてくれるのです。

世界各国は実はどこも、中国経済に問題が生じるのを大変恐れています。中国政府が一番大嫌いな「中国崩壊論」は今年もまた色々な形で相次いで出現しました。米国の「ナショナル・インタレスト」誌は今年の3月2日に「世界最後の日 中国崩壊に備えるために」(Doomsday: Preparing for China’s Collapse)で、米国政府が中国崩壊に備えて取るべき数々の措置を列挙しました。すぐその後に「アトランティックマンスリー」4月号のオバマ大統領インタビューでは、オバマは「没落する中国は勃興する中国よりもっと恐るべきだ」と、その理由を「もし中国が失敗して、その人口を満足させられず、民族主義が力を得たならば、我々は中国との衝突の可能性を考えなければならないばかりか、我々自身も更に多くの困難と挑戦に直面するからだ」と述べました。

フランスのソシエテ・ジェネラル銀行の最新四半期の研究レポートでは「5羽の黒鳥」として、グローバル経済の将来直面しかねない危険として、中国はG5国家中、「純経済」の危険が比較的大きな「黒鳥」だとし、それは不動産の大量過剰、高債務水準と不断に現れる不良貸付問題で中国は20%の「ハードランディング」の危険があり、その他にも「経済構造改革不足」から経済に「失われた10年」をもたらす危険が40%あると指摘しています。

この種の心配は大変普遍的なものです。11月17日、2008年ノーベル経済学賞のポール・クルーグマンはワシントンでのフォーラム期間中に記者の取材に答えて、二つのキーとなる問題について答えたのが代表的なものです。記者は「もし中国経済が更に深刻な状況になった場合、世界のその他の経済体は市場を救えるか?」でした。クルーグマンの答えは「できない。最良の希望をもってしても不可能だ。規模がこれほど大きいからといって倒れないなどということはない。しかし救うとなると、これは大きすぎる規模だ」(not too big to fail,but too big to save)。記者はその見方を、中国経済でいったん、深刻な状況が生じれば、政治領域での改革を必ずもたらすが、クーグルマンの見方は、経済領域でトラブルが生じたら、中国政府はまたしても高圧的手段で形勢を制御しようとする。中国は政治的な領域での開放ではすでに後退に向かっており、そんなことになれば、更に後退するだろう、というものです。

中国は全世界180カ国以上の国家での貿易では第二の経済体です。もし本当に国際投資業界が予測する「黒鳥」になってしまったら、その影響は計り知れないものがあります。だからこそ、国際社会は中国が意図的に為替レートをコントロールし、資本流出を防ごうとする「外国為替防衛戦」をここなっても、いかなる干渉もしようとしないばかりか、これを褒め称えているのです。(終)

拙訳御免。
原文は;中国经济堡垒战:保卫外汇储备 

 「中国2015 何清漣」 電子ブック発売中。何清漣さんの「中国2015」表紙

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