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★政府の「ドル呼び戻し」の声、震えあがるのは誰でしょう?★2017年2月6日

Posted on February 6, 2017March 2, 2017 By minya-takeuchi No Comments on ★政府の「ドル呼び戻し」の声、震えあがるのは誰でしょう?★2017年2月6日

 最近、中国のお金持ちの目は、もっぱら富豪の肖建華の香港での”失踪”事件(実は中国政府に拉致された )に奪われて、もう一つ大事な自分のフトコロ具合に関係するニュースを見落としています。それは国家外為管理局の「国内企業の国外株式上場(IPO)後、適時為替決済を現金化し回収するべし」です。郭松・国家外為管理局資本プロジェクト管理局長が取材に応じて言及した、2017年中国が予定される外国為替分野の多方面の改革です。核心は「国外で上場して資金を募集した後は、上場企業は適時資金を回収し、一定の比率で外貨を人民元に替えるべし」の部分です。

 記事にある3条の核心となる内容は全て「コーナーストーン投資家」(cornerstone investor)という言葉にかかわっているので、まずこの言葉の意味を説明します。

 「コーナーストーン投資家」とは西側の概念で、主に一流機関投資家、大型企業グループ、有名な大富豪やその所有企業を指します。企業が株式の最初の公募(IPO)ではこうした「コーナーストーン投資家」を取り込み、自社の信用の裏付けとして市場の信用を得ます。「コーナーストーン投資家」はIPO時には株購入を約束し、上場後も半年から一年は株を投げ売りしてはなりません。中国が最初に「コーナーストーン投資家」を取り込んだのは大量の国営企業を香港で上場した時です。当時、香港株式市場は中国の国営企業を理解できていなかったため、中国政府は香港の愛国的な大金持ちの実業家に国営企業金融機関の株を購入させて、順調に上場を図りました。こうした香港の金持ちのビジネスマンが「コーナーストーン投資家」にあたります。

 続いて、国家外為管理局の三つの条項の中心内容を細かく分析してみましょう。

 まず第一に「国内のコーナーストーン投資家は、批准を受けた後に、一定限度内の外貨購入を行い国内企業の香港IPOに参与できる」です。

 この意味はつまり「政府はコーナーストーン投資家に株式発行などの手段を通じて資本調達することゴーサインを出し、各種の政策的優遇措置を講じる」です。しかし、規定は米国ウォール街やナスダックでの資本調達を推奨する文言はありません。この二つは中国政府の縄張りではありませんし、許可が出るまで大変時間がかかり、たとえ幸運にも一年半後に大金を得たとしても、中国為替市場の現在の苦境の役には立たないから、今回はそっちは気にするな、ということです。香港は中国の縄張りですから、中共が何でも言えったことはやれるし、禁止することもゴーサインを出すのも、お金を閉じ込めるのも出すのもできる、どうなるかはきみら投資家の運次第だ、ということです。

 二つ目は「国外で上場し資金募集をし終えたら、上場企業は適時に資金を回収して、一定の比率で外貨を人民元へ両替すべし」です。

 この意味は「中共と政府はおまえらコーナーストーン投資家が海外で株式発行などの手段を通じて資本調達することの便宜を図ってやった。金を儲けてきて結構だった。しかし、「水を飲む時は井戸を掘った人の恩を忘れるな」であって、儲かった金は一定の比率で外貨を人民元への両替すべし」。はっきり言うと「お前たちが海外で稼いできたケーキについては、政府にも一切れよこせ」ということです。その「一切れ」が果たして7;3なのか、4;6なのか、3;7なのか、4;6なのか折半なのかは明らかにされていません。しかし中国の各種政府の政令や行政法規の慣例からすると、結局は最後に「本条の解釈権は政府に属する」でしょう。

 三つ目が「中国内のコーナーストーン投資家は海外で上場した株を売った後には、適切な時期に資金を回収して外貨を人民元へ両替を約すことを要求する」です。
 
 これは前の二つの条項より更に重要です。なぜならば前二者は未来のケーキの話であって、コーナーストーン投資家たちが各々様々なあの手この手で(上場を)果たしてからの話で、目下のところケーキはまだ影も形もありません。しかし、第三条は「コーナーストーン投資家」たちがこれまでに世界の第株式市場で上場して獲得した現金に関する話だからです。

 つまり、以前は政府は金持ちだったから、お前らのケーキは自分たちのものにしておいてよかったし、国外でも国内でも置いておけたし、中共お父さんはそんなものをアテにしていなかった。だが、今や非常時であって、政府は全力を挙げて通過の安定を図っており、外貨準備の城壁を崩すわけにはいかず、なんとしても3兆ドルは死守しなければならぬ。今年の外国貿易の金の卵を産む雌鶏の産む卵はますます減ってきているから、お前たちは忠義忠勤を励み、急いで海外の穴倉に仕舞ってある米ドル、英ポンドなどの外貨を持ってきて、中央銀行の外貨備蓄によこしなさい、ということです。

 この3条の項目の並んだ順番もよく研究されています。前の二つは「コーナーストーン投資家」に政府はみなさんが海外でお金を稼ぐのに大きく門戸を開いてますよ〜、とばかりに、映写機で巨大なケーキを映し出して目を引くようにして置いて、後の方で、「コーナーストーン投資家」たちが自分たちのものだと信じている実在のケーキの分け前を”商談”しようというわけで、一見、少しは安心させようとしてるようです。しかし、その言外の意味を汲み取れば、金融投資業界は当然、香港の株式市場の状況は芳しくなく、IPOによって必ずしも大儲けできるとは限らないのに、政府が投資のチャンスを与えるというのは「虚」であって、海外にの金庫に仕舞ってある米ドルが「実」の狙いだということは分かっています。

 では、なぜ「コーナーストーン投資家」向けで、1000社にものぼる米国・ウォール街に上場した「中国概念株」(*中国の企業が海外で発行している株式)の企業ではないのでしょう? これは当然、「中央のおかあさん(政府)」の知恵です。中国は21世紀になったばかりの最初の10年間に米国の五代会計事務所の援助の下で、ウォール街で前後して1000社近い米国弱小企業を“逆買収”して(*中国企業が米国のダミー会社に買収される。その米企業は上場していることを除けば、ほとんど価値がない。その後、米国の経営陣は退陣して中国勢が取締役会を乗っ取り、社名を変更。ヘッジファンドなどに新株を発行し、数百万ドルの資金を調達)売り出しました。米の株の神様のバフェットは「中国概念株」を大いに推奨し、ウォール街とナスダックでは3〜5年、大変な人気でしたが、その半数は財務詐欺の疑いで次々に上場停止されました。(これは《“中国概念股” 与中国特色》,VOA,2011年6月23日で書きました)。これらの会社は当然、自社の帳簿がめちゃめちゃで、いつかは米国証券監督監査会(SEC)ににらまれると承知の上で、金を集めるやたちまちとんずら、とっくにどこか分からないオフショアセンターに逃げ込んでいます。「中央のおかあさん(政府)」は「無駄なエネルギーは使わない」ことをよく知っており、こうした旨味の対してない小者の詐欺師など相手にするよりは、しっかり太った「コーナーストーン投資家」に狙いをつけたほうがいいのです。

 上述の3条の核心的な内容を分かりやすく説明した後は、この「中央のおかあさん」の措置は果たして効果があるかどうか見てみましょう。

 「コーナーストーン投資家」は別に「中央のおかあさん(政府)」は怖くはありません。本当に怖いのはその背後の「党のお父さん(中共)」です。一応、「おかあさん」が先にでてきたのは、政府がまだ「文明的」な外見を保とうとして、「未来のぼた餅で、現在のお金と交換する」ことを選んだからです。でもこれは「おすすめ酒」で、もし飲まないなら今度は罰杯に変わり、政府の主管部門に「お茶に呼ばれる(*取り調べ)」になります。

 「俺らのいうことを聞かないの? それなら、お前ら考えてみなよ、脱税、財務表のインチキ、金融のインチキ、役人への賄賂、どれだって罪にしようと思えば引っ掛けられる、って自分らでも分かってるだろう?」「売春みたいな風俗営業法だってあるし、おまえらスーパー・リッチの名前にかかわるぜい」というわけです。中国の政商関係の下で政府の役人は実業家連の「大親友」です。中共党はどんなことでも知っているのです。

 と言うわけでお話は終わり。まだとことん中国から逃げ切れていない「コーナーストーン投資家」の皆さんは、中国の外貨準備高が3兆ドルを割り込まないように神に祈りましょう。それだけが、「中央のおかあさん」がしばらくは皆さんの海外の銭箱を忘れてくださる道です。「国が富めば民は安んじられる」「大河に水が満ちてこそ、小さい川も水がいっぱいになる」道理をご存じでしょう。(終わり)

 原文は;政府呼唤美元回家,何人心惊胆寒?

 
  「中国2015 何清漣」 電子ブック発売中。何清漣さんの「中国2015」表紙

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