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★三重の社会不公平が生みだした「ネット革命党」 2017年6月8日

Posted on June 8, 2017June 8, 2017 By minya-takeuchi No Comments on ★三重の社会不公平が生みだした「ネット革命党」 2017年6月8日

 「郭文貴のツイッター革命」の主体は、実はこの10年来、中国の内外のソーシャルネットワーク(SNS)上で生まれた「ネット革命党」です。はっきりした形はなく、その大多数はみな実名ではなく、「サブ垢」、「別垢」といわれる複数アカウントを使っています。最初は、「08憲章」への署名、そして艾未未の護憲活動を経て、2011年の”中国ジャスミン革命”後に、弾圧されて衰微したものです。

 毎年、卒業した大学生の半数以上が、すぐ失業状態になって、「ネット革命党」の数はますます膨大になっています。大部分が失業または半失業状態の青年(学者の于建嵘が「底辺知識青年」と呼ぶ)が、社会に対して強烈な怨恨感情を持つのは、当然、現段階の中国の深刻な不公平さのなせるわざです。2015年、私は、「”革命”の靴音は半分しか聞こえない(1)」2015年6月28日 「”革命”の靴音は半分しか聞こえない…?⑵」 2015年7月6日 の中で、こうした「ネット革命党」が消え失せずに、今や、リーダーを探している段階だ、と指摘しておきました。彼らが、今回、「郭文貴のツイッター革命」でやっていることは、全くちっとも以外ではありません。なぜなら、過去数年、何回も何回も書いた分析の中で、こうした一切の事柄は、現段階の中国社会が恐ろしいほど不公平で、未来に対しての希望がないのですから。

 

第一の不公平;教育の機会の不平等

 中国の深刻な社会不安は、現在のリソース(資源)の占有や、財富の分配、チャンスの不均等のひどさだけに現れているのではありません。農村出身の中国青年にとっては、まず、教育の不平等に最初にでくわします。つまり都市と田舎の間の、教育環境の不平等です。たとえば農村地区で銃数年以上行われてきた「学校べらし」(“撤点并校”)は、農村の子供達が学校に通うのを大変困難にしてしまい、農村青年で大学にいく人数、とりわけ「重点大学」の学生数が、はっきり都市部より減っているのです。

 厦門大学高等教育研究所の郭書君は「我が国農村の高等教育発展状況の実証分析」で、こう指摘しています。

 ;1999年から2003年の農村の高等教育適齢人口の入学率は1.4%から2.7%になったが、都市のそれは、7.7% から26.5%になった。どちらも増えているとはいえ、都市と農村での比率は1999年の約5.5倍から、2003年の9.8倍に開いた。南開大学の2001年以来の統計データでは、2006年の農村出の新入生比率は3割だったのが、2007年には25%に減り、2008年は24%と、はっきり減少を示している。清華大学、北京師範大学、華北電力大学、北京理工大学などのここ数年の統計でも、農村での新入生は最高でも3分の1を超えない。

中国——とっくにクライシス、なのに崩壊しない“紅い帝国

 こうした不平等の原因は、制度設計の不公平から来ています。中国の台中の各都市には700カ所ほどの重点中学(高校)があり、普通の高校に比べて、優秀な教師を雇える資金や、豪華な教育設備など、より多くの教育リソースを持っています。これらは、最優秀の学生を育てるのが目標だとしています。しかし、学生は実家の権勢と金銭力の助けを借りて、入学試験を受けずに推薦入学で大学へ行ける有名高校を利用できるのです。中国のエリート大学は、日頃から有名高校と協議して、大量に高校の優秀な卒業生を入学させるのです。2010年、こうした力を持つ90の大学は3割以上の学生を確保しました。上海復旦大学では、この比率は6割にもなります。こうして入学した学生の多くが優秀であることは間違いないでしょう。しかしその中には、親が賄賂を学校に送って子供を押し込む場合も少なくありません。2015年、中国人民大学の元学生採用担当部署のボスだった蔡栄生は、取り調べに対して、2005年から2013年の間に、大学の不正入学に手を貸して、2330万元(当時のレートで米ドル327万ドル/日本円だと1元15円としても、約3億5千万円)を受け取っていたことを認めました。

 諸外国でも自由競争の下で、自然に名門校が生まれますが、中国では違います。中国の重点学校は基本的に、国家や経済の発展のためや、特定階級の利益のために、行政権力によって集中的に資源を使って、計画経済時代に作られた「貴族学校」です。それがそのまま今に至るまで有利な立場にあるわけです。ですから、「人民全体のお金を使って、少数のために使ってる学校」と世論からは皮肉られています。
こうした教育資源を少数の人間に傾斜配分する制度設計は、農村青年(都市の普通の平民家庭の子弟も含めて)、人生のスタートラインで負け組にしてしまう制度です。

 2015年、中国政府は中学(高校)の推薦入学の制度に重大な変更を行い、難度を上げました。「高考」(大学入試センター試験)によらない推薦入学者の割合の上限を5%に決め、その他の学生はテスト後でないと推薦入学の資格が得られないようにしたのです。しかし、中国の社会階層、財富の占有構造がとっくに固定化してしまった状態では、この程度の修正では、焼け石に水です。

  

第二の不公平;はい上がれない社会上昇ルート

 大学卒業、即、失業という窮迫した状態で、大卒生の求職競争は、家の力を背景にした競争になり、個人の能力の競争ではなくなってしまいました。底辺層出身の、とりわけ、農村からきた大学生は極めて求職が難しいのです。

 早くも2005年、北京大学の文東茅の「家庭背景が我が国高校教育機会と卒業生の就職に与える影響」というレポートがあります。これは全国的な推薦入学生と、父親の職業、地位と教育程度などから家庭背景を指標としたもので、そのうちの「家庭背景の卒業生の就職に与える影響」では、父親の職業が子女の就職機会を決定し、そのほか、月給や出世の速度なども皆、両親の社会的地位と直接関係していると指摘。月給の項目だけでも、父親の社会的地位がより高ければ高いほど、卒業生の平均給与も高くなり、父親が農民の場合と、行政管理職や社長だった場合では、卒業生の平均月収は400元から300元(当時のレートで4000〜5000円)違うとしています。

 この調査は、中国の階層社会が、まさに固定化している残酷な現実を表しています。数年後、清華大学中国経済社会データセンターの李宏彬らは、19の高校の6059人の卒業生(重点高校10校、非重点高校9校)を対象に同様の調査を行いました。調査は、質問形式で、内容は、学生の基本情報、家庭背景、全国一斉テスト成績、大学生活、卒業後の方向などを聞きました。6059人のうち、14%が「父母のうちどちらか一人が少なくとも、政府の役人(共産党政治機関、事業所、国有企業)で、これをいわゆる「官2代」としました。その結果、父母の政治的なリソースと、高校卒業生の大学卒業後の仕事の給料との間に明らかな積極的影響が見受けられました。「官2代」の大卒生徒の初任給が、そうでない場合より明らかに高かったのです。さらに、全国一斉学力テストの成績を基準にみた場合は、「官2代」と、そうでない生徒の場合に別段、知力の差はありませんでした。ですから、「官2代」の給与が高いというのは、自分の能力や知力によってではないのです。「官2代」は13%(約280元 同約4200円)高かったのですが、このサラリーのプレミアムは、2年間の教育にかかるコストに相当するものでした。

当Webサイト連載のブログ集改訳;日中両文収録 
「中国2015 何清漣」Amazon電子ブック発売中。
 何清漣さんの「中国2015」表紙
「中国2016 何清漣」近刊予定。

 こうした、「リソースの世代移転」現象は、制度の不公平が深まって、21世紀の、たかだか10数年間に、中国社会の上昇ルートは糞詰まりになって階層が固定化されている現象です。

  

第三の不公平;司法懲罰の不公平

 この種の不公平さは、とっくのむかしに、司法方面でも現れています。「俺の親父は李鋼だ」という「官2代」の特権を誇るセリフとしてネットの流行語になりました。これは2010年、河北省の保定市の公安局の副局長の息子が、交通事故を起こした時に吐いたセリフでした。警察に、自分の父親の名前を出して、罰を逃れようとしたのです。この役人の息子のセリフは理由のないことではありませんで、自分自身の体験の中からえた経験に基づいて、特権階級の子女は違法な犯罪行為をしても軽い処罰で済んだり、まるまる処罰されないことから得たものです。

 特に中国人が不満に思うのは、こうした身分差別が「反腐敗キャンペーン」でもみられることです。習近平が政権について以来、反腐敗には歴代のどの総書記よりも力を入れており、王岐山も歴代中央紀律委員会で最も力を持っています。そして反腐敗キャンペーンの結果は、中共のこれまでの60年の総合計を超えて、省部級(大臣クラス)以上では120人、軍隊の中・少将以上では60人の成果があがりました。しかし、不思議なことに、中国人はあれほど腐敗を憎んでいるのに、この眼を見張るような成果に対して、別に素晴らしいという声はありません。その原因は、この反腐敗の二つのルールに不公平さを感じているからです。一つは、反腐敗は「相手を選んでやっている」、つまり政治的ライバルを倒すために使われていること。もう一つは、紅色家族には手を出さないことです。少なからぬ「紅二代」と政治局常務委員の家族は巨額の財産を蓄積していますが、それには基本的に触れないのです。失脚した政府高官は皆、基本的には、平民の息子たちでした。少なからぬ汚職高官の物語が明らかになっても、その半生はみな「苦学生」が頑張って這い上がった「立志伝中の人」の奮闘物語でした。

「人民の名において」出演者

 こうした権力闘争と、反腐敗の依怙贔屓への不満は、2017年のテレビドラマ「人民の名において」放映後に、バカバカしい形で爆発しました。社会の同情が一番集まったのはなんと、悪役の祁同偉だったのです。「漢東省」の公安局長の彼は、階層を這い上がるために十歳年上の、高官の娘と結婚し、省委員会書記の葬儀に声涙を枯らし、ビジネスマンと結託して違法な利益を貪り、親族のために職権を悪用して利を図り、安全のためには殺人も厭わない…、そんな人物であることは明らかなのですが、しかし、「家に食べるものもない貧しい家庭出身」だったのです。中国の8割の下層(清華大学の李教授の最新データでは、中国の下層人口は75.25%。さらに上下層グループと中産の間を行き来する層が4.4%)です。今世紀の始まりから、下層や準下層の家庭の中国青年が、中産階級に這い上がるのはもう大変困難でしたし、ましてや上流などいわずもがなです。
 
 上昇ルートの糞詰まり社会とは、人々を絶望させるだけでなく、更に強烈な社会的怨念を育むものなのです。

 以上述べたように、中国の「ネット革命党」が生まれた社会背景です。更に次に、中国がいかに根気よく、継続してイデオロギー教育と宣伝を通じて、自分たちの墓堀人を育て続けているかを分析しましょう。

 原文は;“网络革命党”:由三重社会不公催生 

 ;拙訳御免。(速さ最優先で、浅学菲才の爺さんが翻訳してますので、結構粗っぽいのはご勘弁願います(^^;)。

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