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★「おいしい米国移民」時代はお終い  2017年8月14日

Posted on August 14, 2017August 14, 2017 By minya-takeuchi No Comments on ★「おいしい米国移民」時代はお終い  2017年8月14日

 移民は中国ではこの20年、ずっとホットなテーマの一つです。金持ちだけではなく、高級官僚とその家族から、中産階級家庭、社会の底辺層まで…と、異なる階層も、この点では諸人こぞりて一致し、めいめいが秘術を尽くしこの道を行くのです。移民先は米国はその一番人気です。国際連合人口基金の分析では、2013年までに、中国移民の約4分の1は米国へ、その他の大部分は、カナダ、韓国、日本、豪州、シンガポールへ向かいます。しかし、2017年から、トランプ政権は、多すぎて溢れる移民の大潮流を変えようとしており、中国人はこの影響を受けます。米国移民政策の変化に直面して、どんな人が阻止され、どんな人が「米国の夢」を従来通り許されるのか? 今回は米国移民現状と政策の変化の動向を探ります。

 ★米国移民政策変化の国際的な大背景

 現在、国際社会では移民に関する隠れた2大潮流があります。一つは、発展途上国の大量の人々が、先進国の福祉制度の恩恵に与ろうとして、高度福祉国家への移民を願っています。欧州が真っ先に悲惨な目に遭っており、今年の春から夏にかけて、中国にも近いバングラデシュから、大量の人々が、遠路はるばる北アフリカ、イタリア経由で、ドイツの永久的な高福祉を目指してトライしました。この種の現象が生まれたのは、近年、欧州国家が難民(実際は貧困移民が大多数)をへの門戸を開いて大量に受け入れ、手厚い生活保護を与えたからです。この結果、大量の西アジアやアフリカから”難民”が、続々と欧州に来るようになったのでした。欧州各国は、深く頭を抱えていますが、しかし、一つには自分たちのイデオロギーで自縄自縛で、すぐには方向転換出来ないのと、二つには、既成の各政党は、長年「多元的価値観は結構なことだ」という政策を取ってきたこともあります。欧州が門戸を閉じないうちは、おそらくアフリカ移民は、続々と豊かな欧州に、トラブルの臨界点に達するまで来続けるでしょう。米国は欧州大陸とは、大西洋で隔てられていますが、ラテンアメリカ移民は、米国とメキシコ間の、監視の甘い国境を通じて、続々と米国に流入しており、その総数は、欧州への移民をはるかにしのぎます。

 潜在的な流れの第二は、先進国の多くは既に、政府債務の落とし穴に陥って、赤字で続けられませんで、もし政府支出を節約しなければ、そうした国家は未来を失うことになるでしょう。そして、先進国が移民に福祉提供を続けることは、赤字拡大の理由の一つです。米国の例ですと、過去数十年にやってきた何百万人がグリーンカードを手にしましたが、そのうち技能によって雇用主に認められ推薦を受けて手にした人々はわずか7%だけです。残り、93%以上は、家族移民です。同時に大体、半数以上の移民家庭は、生活保護を受けています。つまり、多くの移民が米国にやって来て、各種の低賃金の仕事を探しますが、100の家族移民家庭のうち、54の家庭の暮らしはやはり、米国の納税者のお金で生活保護を受けているということです。

トランプの「米国ファースト」政策は、つまり、この隠れた2大潮流に対して、オバマ時代の手放しの移民受容、社会保障支出、債券発行の三つを改めなければ、米国経済の直面する脅威をなくすことは出来ない、というホワイトハウスの姿勢です。

 以上が米国移民政策の転換が始まった大きな背景です。米国議会は各議員の選挙区への配慮から、トランプの提出する新移民政策の改革法案を修正するでしょうが、しかし米国政府が移民政策の動向を引き締めようという方向は変わりません。
当Webサイト連載のブログ集改訳;日中両文収録 
「中国2016 何清漣」Amazon電子ブック発売中。
 何清漣さんの「中国2016」表紙

 ★中国人移民の数

 ワシントンの移民政策研究所(MPI)の「在米中華移民」によると、45年前に米国の中華系移民は、主に台湾・香港からの老華僑で約40万人。以後、中華系移民は主に大陸からとなり、1993年父ブッシュ大統領が在米中国人に64グリーンカードを提供した以前の米国の中華系移民は70万人でした。2000年にはそれが120万人となり、2013年末には201万人で、そのうち大陸からは160万人。このうち54%が既に米国に帰化しています。つまり、109万人が米国の選挙権を持っています。この他、21万人の違法滞在の中国人がいます。

 中華系移民の構成は、大陸社会と同様、はっきりした両極化が見られます。知識人エリートと、英語能力の劣る低収入階層がそれぞれ半々です。25歳以上の合法移民のうち47%は学士以上の学位を持ち、この比率は、米国への移民の平均学歴より2割高く、中華系移民のうちの知識エリートの比率が高いのですが、これは中国内の有名大卒業者が争って米国に留まろうとする一般的印象と合致します。別の面では、62%の5歳以上中華系移民(5歳以下の子供は除く)は、自分の英語水準が低いことを認めています。つまり、一部の中国で大学教育を受けた移民も、専門や年齢のせいで米国に十分適応出来ないでおり、半分以上の移民は大学に行ってません。在米中華系移民のこの両極化構造は収入面でもはっきり出ており、19%の中華系移民は貧困状態にあり、米国生まれの貧困人口比より4%高く、そうした家庭出身者は、教育、英語水準の低さが貧困の重要な原因になっています。別の面では、中華系移民の貧困家庭は5分の1ですが、エリート中国人移民たちが高収入なので、平均が引き上げられ、その結果、中華系移民の平均家庭収入は2013年で5万7千米ドルとなり、米国生まれの平均家庭収入より7.5%高くなっています。中国内で「米国に移民すれば、一生楽勝だ」という「米国ドリーム」に比べると、米国の中華系移民の小社会の現実は、実は結構厳しいものがあります。

 ★中国人はどうやって米国に移民するか?

 米国移民の方法は5つです。労働グリーンカード、投資移民、家族移民、政治亡命、特殊ケース(違法移民への恩赦、64グリーンカード、優秀人材制度)。中国で一般に知られているのは前二者で、多くの中国人も、米国へ移民できるのは、当然半分以上はエリートの成功者だとおもっています。しかし、そうすると、、じゃあ、英語能力の低い、低収入層ってどうやって米国へ移民出来たの?という疑問が湧きます。その答えは、家族移民と政治庇護を求めることです。

 米国国土安全保障省の2009年移民データを分析したのですが、同年には6.4万人の中華系移民がグリーンカードを手にしました。そのうち、雇用主の申請によるものはわずか17.5%の1.1万人でした。配偶者や未成年子女のが17.1%で、父母、兄弟姉妹が36.1%で、後二者合計で3分の2近くなります。2013年になると状況がちょっと変化しました。同じ「米国の中国系移民」のレポートによると、28%の中華系移民が仕事用、配偶者・未成年子女のが33%、父母・兄弟姉妹が19%で、他に20%が政治的庇護を求めて、それぞれグリーンカードを獲得しました。レポートによれば、中国国民で難民申請して米国に来た例はありませんが、旅行ビザや違法入国後に、政治的庇護を求める比率は、他のどの国より高い割合でした。2013年度に米国は、25200人の政治的庇護申請を批准しましたが、そのうち8500人は中国人で、34%でした。

 2013年のデータと2009年のを比べると、仕事関係のグリーンカードを得た移民が相対的に増えていますが、それでも3割を超えません。その配偶者や未成年子女の獲得率は、はっきりと増えています。非直系親族の移民申請の場合、年間限度数がありますから、数年間待たされることがあり、それも次第に長くなる傾向があります。ですから、そうした人々のグリーンカード獲得率は、いささか下がって来ていますが、それでも5分の1近くになります。政治庇護も、減っているとはいえ、依然として5分の1あります。

 ★米国新移民政策の調整方向

 トランプ大統領の最近発表した新移民改革計画は、カナダやオーストラリアなどが採用しているポイント制度を真似たもので、これまでの「広範なフレンド歓迎政策」を改め、生活保護を与えるのではなく、「エリート人材」優先です。そのうちの骨子は3つあり、一つは配偶者と子女以外の、非直系の親戚がゾロゾロ来るのを止めさせる。二つには、グリーンカード申請には、英語のレベル、学歴、年齢、技能でポイント制にして、高得点者が優先される。三つ目は、新移民は、米国の納税者の負担にならないようにする、です。

 明らかに、こうした新政策は米国滞在中の中国人留学生の成績優秀な人々にとってみれば、良いニュースです。同時に、長年、労働ビザの4割を申請していたインドからの H-1B就労ビザ( H-1Bビザは、企業が専門職の外国人労働者を雇用することのできる非移民ビザ。新卒者でも取得することが可能なため申請者が多い)申請に対して、その弊害が指摘されて、毎年8万人までというリミットが課されたため、中国留学生のチャンスもやや広がったと言えるでしょう。しかし、中国から米国に毎年やってくる留学生の数は40万〜50万人にもなりますので、彼らの絶対多数は、グリーンカードを獲得することは無理で、就職には帰国しなければなりますまい。中国メデイアによると、現在、米国で留学中の学生の8割以上が、そのつもりでいる、ということです。

 今、グリーンカードを得ようと、移民申請の列に並んでいる父母兄弟姉妹にとっては、トランプの新政策は悪いニュースです、この門戸はやがて閉まってしまう可能性があります。また既に米国に来ている移民の、非直系の親戚にとっては、もう米国で生活保護を受けて暮らせるという望みはなくなってしまうかもしれません。特に、中国で退職し、年金を受け取って、米国でその収入や財産を隠して、家族の資格でグリーンカードをゲットして、米国で生活保護を獲得しようと言う高齢者の「アメリカン・ドリーム」はおそらく、破綻することでしょう。(終わり)

拙訳御免
原文は;移民美国:梦想与现实的改变 
当Webサイト連載のブログ集改訳;日中両文収録 
「中国2015 何清漣」Amazon電子ブック発売中。
 何清漣さんの「中国2015」表紙

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