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★中国という「経済版・進撃の巨人」は如何に出現したか?(上) —  米・中間の天地返し — 2019年10月31日

Posted on October 31, 2019November 9, 2019 By minya-takeuchi No Comments on ★中国という「経済版・進撃の巨人」は如何に出現したか?(上) —  米・中間の天地返し — 2019年10月31日

2018 China 

ペンス米副大統領の10月24日、ワシントンのウィルソン・センターで米・中関係に関する講演は、去年のハドソン研究所での演説ほど満場の喝采は得られず、多くの海外の中国人批判派(原注;国内の自由派知識人も含めて)、強い不満の声が上がりました。理由は、同氏の「トランプ政府が中国とデカップリング(切り離し)するか、とよく聞かれる。この答えははっきり『ノー』だ。米国は中国との接触を望み、中国が外部世界と接触することを望んでいるし、トランプ大統領も、米国は中国と敵対したいとは願っていない」という発言です。

★米国人は「外国の余計なこと」に関わって欲しくない

ペンス演説の全文を読むと、こうした断片的な文章を取り上げて、怒り狂うのは、おバカさんです。この演説をどう評価するかは、自分がどんな立場かで分かります。

中国の政治的プロテスターは、ずっと中共政権の転覆が米国大統領の任務だとしていますから、それを基準に大統領演説の合否を決めます。彼らがすっかりお忘れなのは、米国大統領は米国の選挙民が選出するのであって、その第一の責任は米国の現在の現実に対して負うものであり、第二の責任は、米国の未来に対して負うのです。米・中デカップリング — ニクソンの「氷を割る旅」以前の対決状態に戻ることが、米国の利益に叶うか否かは、米国人が自分て決めることです。

こうした考えが生まれるのは二つの原因があります。まず、第2次世界大戦の終結後、米国がずっと自由世界のリーダーだったこと。次に、冷戦終結後も長い間、米国がこの役割を自認し、引き続き世界に民主主義を広げるのを自己の責任としてきたことです。クリントン元大統領は、冷戦終結後、やる気満々でグローバリズムを推進し、世界貿易機関(WTO)に中国を新会員とし、中国の民主化を指導し、国際社会に招き入れる高等戦術だと誇りました。

しかし、米国政府も神様ではありません。全世界に民主主義を広めるのは、数々の困難に遭遇しました。イラク戦争は、米国に骨折り損のくたびれもうけでしたし、かえってイスラム急進主義がその虚に乗じました。「アラブの春」以後、イスラム世界の世俗化政権は次々に倒れてしまい、ISIS(自称イスラム国)は世界の悪夢となりました。中国は、世界第二の経済体になったあと、民主化しないばかりか、反対に、日を追って独裁政権に戻ってしまいました。

米国国内はといえば、仕事先は流出し、中産階級は減少し、貧困人口が増加しました。対外戦争と国際責任は、山のような債務を海、人口構造の激しい変化は国内の人口構造に矛盾を生み出し、ワシントン政治は共和、民主両党が水と火のような対決の場になりました。「フラット化する世界」(トーマス・フリードマン、2005年)の筆者は、「米国人が行くところ、各国人民が米国に対して羨望と怨念の入り混じった感情が渦巻くのを発見するが、その大部分は、米国が他国のことに干渉した(原注;民主主義を広めようとした)からである」と述べています。

こうした状態によって、米国人の焦慮はますます深まりました。2009年以来、米国人は、自国政府が他国にお節介するのを減らし、自国内の問題に集中してほしいと願うようになりました。ピュー・リサーチセンターの調査では、米国の国際的問題関与への疑問は近年、明らかに高まっています。

オバマ大統領が着任した2009年には41%に達し、2013年には52%の米国人が、「外国にお節介を焼かないで、その国に任せること」を願っています。2016年5月の調査では、これが57%に上がりました。同年7月にウォール・ストリート・ジャーナル紙が掲載した特別記事は、米国が2000年のクリントン政府から2016年の経済政策及び、2016年のトランプとサンダース現象との関係を調査したところ、7割の米国人が「米国は間違った道を歩んだ」と回答しました。

★「間違った道」は誰が拓いた?

米・中関係が今日のようになったのは、主に米国が中国への垣根を取り払ったからです。クリントン大統領時代から、歴代の米国大統領は、米・中問題に関しては、皆、「垣根を取り払う」政策でした。オバマ前大統領は、2016年4月に「アトランティックマンスリー」の記者に、オバマイズムの中国観を語っていますが、その核心は「勃興する中国より、衰弱する中国の方が恐ろしい」であり、中国の力を削ぐ、いかなる政策も採ろうとはしませんでした。理由は大変はっきりしており、彼が大のお気に入りだった「親パンダ派」は、中国政府のお友達だったからであり、彼の大好きなシリコンバレーのハイテク企業は皆、中国の投資が主力だったからです。オバマの前の3人の大統領も、中国が西側世界に進出するのを、助けてきました。

2019年7月18日、米国の元情報部員で冷戦期間中は海軍パイロットだったチェット・ネイゲル (@ChetNagle)は、第7回当面の危険委員会(訳注;Committee on the Present Danger/CPD=右派の街区政策グループ)のブリーフィングでこう述べました。

中両文収録「何清漣 2017中国」Amazonで発売。「2018」編集中;2015、2016Amazon改訳版を電子ブックで。Kindle Unlimited なら無料です。
何清漣氏の2015~2017までのエッセイ改訳版

;40年前、中共政権が我々に宣戦布告した時、我々は全く知らなかった。それどころか、事実上、我々は彼らを助けた。まず第一にニクソン大統領が1972年に中共政権を承認し、中共を助けた。第二には老ブッシュ大統領で、天安門事件以後、秘密裏にハイレベルの代表団を訪中させ、中共を慰めて「米国は彼らを毛嫌いしない」と言った。去年、彼が死んだ時、中共は彼を「中国の古い友人」と呼んだ。第三は、WTO加入を助けたクリントンだ。だから、我々委員会は、トランプ大統領が中国に徹底して強硬な姿勢で臨むことを希望する。

他方、米国の「親パンダ派」は、自分たちのお気に入りの北京のために、二つの「教科書」ともいえる前提を予想しました。一つは、中国は、WTO加入後は、すみやかに国際社会に溶け込み、中国に開放的市場体制を作るのを促進するだろう。二つ目は、中国が、西側のインターネット技術に開かれれば、中国の言論管制は崩れ去る。この二つが、最終的には中国を民主化の道へ歩ませることになる、でした。

この理論が、米国の中国研究社会での「聖典」となったのは、クリントン元大統領が、2001年にジョンズホプキンス大学で行った講演でした。この講演で、クリントンは議会に中国と正常な貿易関係を恒常的に作ることの長所と必要性を、はっきり説明したのでした。

;「中国のWTO加入支持は、我々の経済的利益にかなうだけでなく、さらに大きな国家的利益にもかなう。これはニクソン大統領の中国初訪問や、その10年後のカーター大統領の米中関係正常化以来、我々が中国で積極的な変化を生み出すもっとも重要なチャンスだ」です。

クリントン大統領のこの談話は、米国朝野の中国に対する懸念を打ち消すためのものでした。彼は「誰が中国を失ったか」(訳注;第二次大戦後に米国で論議がおこった)というテーマから切り込み、米国政界、学会が認識していた全ての中国問題、例えば、専制国家である、反対派を許さない、市民の言論の自由や、信教の自由を剥奪し、統制経済であることや、国民に政府への依存性を植え付けること、世界で西側とは明らかに違う方法で、自分たちの利益を擁護していること、中国崩壊の可能性への心配などを挙げました。

 そして、若いクリントンは、自信満々に、「問題は我々が、中国のやり方を認めるかどうかデアなく、問題は、こうした問題を改めて進歩させるために、我々ができることは何か、なのだ「「中国の未来の道は中国自身が選ぶことであって、我々はその選択をどうこうすることはできない」「我々はただ彼らに影響を与えるだけだ。だから我々は絶対に、完全に自分たちをコントロールしなければならない、我々は中国を正しい方向にひっぱっていくように努力しなければならない。さもなければ背を向けるか? だが、背を向けるならば、必ずや中国は間違った方向に行くだろう」と、クリントン大統領は「光り輝く大通り」を指し示したものです。「WTOは中国を正しい方向に全身させ、中国は、米国が過去30年感(原注;すなわちニクソン訪中以来の)、中国での努力の目標が実現する方向に、正しく前進していくだろう」と。

これが、以前に米国の対中国8文字方針として分析したものです。つまり、接触、合作、影響、改変。ニクソンは「接触」し、クリントンは「合作」し、影響と改変を狙いました。当時、中国市場進出に大忙しだった米国実業界、職場の流出を心配していた製造業(原注;労働組合は民主党のテッパン支持基盤です)、クリントンは当然、彼らがほしがる「ケーキ」の絵も描いて見せました。「中国政府の販売や価値ある技術の移転を通じて、これは初めてのことだ。我々は、職場を失うことなく、商品を輸出出来る」「国有企業保護の城壁を下げることを通じて、中国は広大な大衆生活の中から、政府の役割を減らすことを、今、加速中だ」と。この「下」で、実際はまるきり反対だったことを書きます。

当然、クリントンは言い逃れの余地も残しています。「WTOに入ったからといって、一夜のうちに中国が自由社会になるわけではないし、中国が完全にルールを守ると保証も出来ない。しかし、時間が経つにつれて、中国は正しい方向に一歩一歩進んで行くだろうと信じている。(WTO加入は)拒絶されるより、良い結果をきっと生むだろう」と。

★誰が「経済版・進撃の巨人」を?

クリントン大統領は、全方位で中国に協力の正門を開け広げました。続く何人もの米国大統領は、基本的には米・中友好協力の道をますます深く掘り広げて行きました。2016年、中国はもはや15年前に、米国にWTOに入れて下さいと援助を求めた貧しい国ではありません。米国に次ぐ、世界第二の経済体となって、すでに10年もたっていました。以下は、2001年から2016年に起きたことです。

中国のGDP総額は、2001年の1.339兆米ドルから、2016年の11.19万兆ドルへ。2018年、全世界のGDPの総額は84兆ドル。米国が依然として一位で为20.5兆,世界GDPの24%,しかし、2017年の24.4%より下がった。同時期に中国は13.45兆ドル,同16%だが2017年の15.4%より上昇している。

中国は米国の最大の貿易赤字相手。米国商務省の統計だと、2016年の米国貨物流入総量は、21891.8億ドル。中国からの輸入が、4628.1億ドルで21.1%。米国の対中貿易赤字は、3470.4億ドル。2001年には281億ドルだった。

中国は、発展途上国への投資で最大の国になった。2001年、中国の対外直接投資額は合計で347億ドル。世界全体の0.5%だったが、2018年、1.9兆ドル、6.3%になった。これに対して、米国は2001年に31.8%だったのが、2018年には6.5兆ドル、20.9%になった。

数字の上下から、米・中両国の経済的実力の消長が読み取れます。2018年、トランプ大統領の談話で、中国が不愉快に思った一言があります。「我々が、この25年間で中国を再建してやったのだ」です。25年前というと、まさに、クリントン大統領の1993年のことです。(続く)

原文は;何清涟:中国这个经济利维坦是如何出现的?——2001年-2019:美中之间的乾坤挪移(上)

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