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★米中貿易戦争は、「お味方探し」の段階  2018年4月10日

Posted on April 10, 2018April 11, 2018 By minya-takeuchi No Comments on ★米中貿易戦争は、「お味方探し」の段階  2018年4月10日

 米中貿易戦争は、半月以上になり、第一ラウンドが終わって、これから第二ラウンドです。今回の見所は、双方が盟友を探しており、この点が最終結果に重要な関わりを持つでしょう。

 

★第一ラウンドは、双方が競り合い

 

 3月22日、トランプ大統領が覚書に署名した後、何回かの応酬があって、双方のカードによるビッド(カードゲームで各競技者がおこなう宣言)は終わりました。

4月1日、中国政府は128種類の米国からの輸入品に関税を課すと宣言。その中には、豚肉、乾燥果実、ナッツ、ワインなどが主なもので、これは米国側が3月初めに、中国の鋼鉄とアルミの関税をあげたことに対する報復措置です。

4月3日、米国は、1333項目の関税リストを発表しました。中国はこれに対し、すぐに、米国産大豆、牛肉、航空機、車など重要な輸入品の関税で反撃、こららの品々に25%の関税を課すと宣言。

4月6日には、トランプ大統領は更に、中国の製品に対して、1000億米ドルの関税を課すと宣言しました。中国側は「やるなら最後までおつきあいする」との意思を表明しました。同時に、双方の官僚レベルでは、貿易戦争は最終的には、話し合いによって解決すべきだとの表明が行われました。

第一ラウンドの「トリック」がこれで一段落しました。ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の「米中全面経済対話の暗い前途」では、ワシントンのシンクタンク戦略・国際問題研究所のアジア経済上席研究員のマシュー・グッドマンが、こう述べています。(「トリック」はカード用語。 プレイの一単位。各競技者が1枚ずつ手札を場に出していく。一番強いカードを出した競技者がそのトリックに勝つ)

 ;米中間のこれまでのような全面的な経済対話方式は既に効果を失っている。双方はやはり最終的には対話によって意見の相違を解決する必要があるが、しかし、当面はどちらも貿易戦争のエスカレートはコントロールしているものの、しかし、全面経済対話を、従来のような正式なものにしようとまではしていない。

★第二ラウンドは、双方がお友達探し

 

 3月23日のWTO(世界貿易機関)の会議後、欧州連合(EU)、日本は米国と中国の知的財産権の話し合いに加わることを申請し、その問題では米国を支持するとしました。しかし、貿易戦争の他の方面では、それぞれ態度を留保しました。例えば、トランプが、アルミ製品の関税アップで、EU、韓国などを除外しながら、「国家の安全保障上の脅威」を理由に、日本と中国を並列に置いたことです。日本政府の官僚は「重大な出来事」として、態度を硬化させ、「もし除外されなければ、日本は貿易戦争において米国を支持できない」と述べました。

 EUは中国の最大の貿易相手ですから、現在、深く焦慮し、自分たちが米中貿易戦のとばっちりを受けることを心配しています。4月初め、EUは、米国の対中国への懲罰性の関税はWTOの規定に合致するかどうかを審査し、世界貿易の枠内での意見の分裂の解決を望みました。EUはさらに、現在、局面打開のために、ハイレベルの個別会談をおこなっているとも表明しました。

 トランプ大統領が、中国に1000億米ドルの関税を課すと宣言した後、中国のEU大使・張明は欧州メディアに寄稿して「米国が中国に対して301条調査を行い、かつ、制限措置を取るのは『典型的な一方的な貿易保護主義のやり方』であり、EUははっきりと米国の保護主義に対して反対の立場をとるべきで、「多国間貿易秩序を共同して維持擁護しよう」と呼びかけました。

 今、この原稿を書いている時点では、ドイツやフランスのメディアが多く引用している専門家の意見は、「EUは米中貿易戦争の中に加わってはならない」です。

 米国のボーイング航空機という重要な輸出品に中国は関税をかけようとしており、微妙な作用を及ぼしています。ここ最近、欧州の航空大手エアバス・グルーが腐敗と醜聞が相次ぎ、質的にも問題があって、多くの訴訟を起こされて困難な状況にあります。そんな時に、ひっきりなしに発注してくれる中国は、エアバス社の救世主です。ドイツは中国から130機、170億米ドルの大型発注を受けています。

 今回の米中貿易戦争で、中国が米国航空機に課税すると宣言した後、世界最大のアメリカン・エアラインは6日、欧州エアバス社から購入予定だったA350型旅客機の注文を取り消し、米国ボーイングから47機のBoeing 787 Dreamliner旅客機を、総額120億ドルで購入するとしました。もし、中国が、巨額のエアバス購入をチラつかせれば、EUの姿勢は曖昧なものになる可能性があります。

 EU以外にも、米国は「裏庭」にも指示を求めています。トランプ大統領は4月12日から16日まで、ラテンアメリカを訪問し、ペルーの首都リマでの米州サミットに参加するほか、コロンビアを訪問します。トランプ政府のブレーンは、米国の貿易チャンスの開拓の他に、ラテンアメリカ諸国を、中国の経済影響力から引き離す目的があることを明らかにしています。 (*”トランプ大統領は13、14両日にペルーで開催される米州首脳会議への出席を取りやめた。ワシントンにとどまり、シリア問題への対応にあたる。WSJ;2018年4月11日)

 しかし、トランプの目的を達成するのはそう簡単ではありません。歴史上、ラテンアメリカはずっと「アメリカの裏庭」ではありましたが、この20年来、中国の影がその裏庭で伸びて来ているのです。2000年から、今に至るまで、中国とラテンアメリカ間の貿易は22倍になっており、同時期のラテンアメリカー米国、ラテンアメリカー欧州はわずか二倍にしかなっていません。

 2016年だけでも、ラテンアメリカ地域の政府は、中国の国策的な銀行から210億ドルの借款を受け取っています。オバマ大統領の任期中にも、ラテンアメリカの中国の影響力に対抗しようとしましたが、米国の同地域への影響力低下を確認するだけに終わりました。2013年、ケリー前国務長官は、米州機構国家に公開の席で、「モンロー主義の時代は終わった」と述べました。

 ここ数年、中国は、「一帯一路」計画をラテンアメリカ地域にまで伸ばそうとしてきました。2018年1月、前チリ大統領のミシェル・バチェレ女史は、第二回中国 — ラテンアメリカ フォーラムで「中国の一帯一路は、ラテンアメリカに新たなチャンスをもたらすもので、チリは積極的に協力して行く」と述べています。

 トランプに随行する米国官僚は、こうした国々と米国は共に民主的価値観を信奉する国として、そうした基礎の上にラテンアメリカ諸国が、米国と協力してくれることを期待していると表明しました。しかし、人類社会の天性は、自分の利益を重んじます。

 ましてトランプの移民政策を、ラテンアメリカ国家は忘れていません。数日前に数千人のラテンアメリカ人はホンデュラスから、テキサスまで堂々たる「移民キャラバン」を行い、トランプは軍隊を動員してこれを解散させたばかりです。(訳注;参照>AFP トランプ氏、メキシコの「移民キャラバン」に激怒)これはラテンアメリカ諸国の不興を買っています。今回の米中貿易戦争では、ラテンアメリカ国家は、両天秤をかけ、漁夫の利を狙うでしょう。

 米国が希望を寄せる、「共通の民主的価値観を持つ国々」のEC、ラテンアメリカ諸国の動向は、半月以内に明らかになるでしょうね。

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★米の民意、中国の”民意”は?

 米国のビジネス界、企業や農業組織の大部分が、貿易戦争に反対だということは、「米中貿易戦争 — 米国は中国羊の毛をどこまで刈れるか?  2018年3月28日」で書いておきました。ウォール・ストリートジャーナルも数日前に、「中国の関税報復が米国の豚肉、果物業界を揺るがす」で、この二大産業の悩みを分析しています。

 民間のアンケート結果は、それとは少し違っていて、Harvard CAPS/Harris の調査結果では、71%の選挙民は、中国との巨額貿易赤字問題は解決されるべきだとするのが71%。貿易交渉に関税を脅しの手段として使うことを支持するが61%、55%が、今の貿易協定は、米国人の就職先が犠牲になっていると見ています。三分の二が、報復を心配しています。

 中国が大豆という政治性の高い産品に関税を上げることに対して、トランプ大統領の反応はこうです。
 
 4月5日に、農業長官に米国農民と農業の利益保護をしっかり守ることを命じています。4月6日には、WBCラジオの取材に対して、米国と中国の貿易対立は、米国市場に一時的な苦痛をもたらすかもしれないが、長期的には米国民はこれによって利益を得るだろう、と述べています。

 中国政府は、世論を厳しく統制していますから、国内メディアは当然、高い調子で「いかなる代価を支払っても米国との貿易戦争は徹底的に戦い抜く」と支持しています。海外のプロテスターたちの中国語ネット上では、米国が中共政権を一気に叩き潰して「中国人民を苦しみから解放してほしい」といった書き込みでいっぱいです。

 ファイアウォールを隔てて、二つの相反する主張がどっちも、自分の憶測で勝手なことを言ってるのは、奇妙な光景です。それでも一部の専門家は冷静で、中国がWTO加入後、何度も違反を繰り返して来たこと、市場開放の約束を守っていないこと、確かに多くのズルをして利益を得ていること、自分の方に問題が多すぎることを考えると、米国の利益が理解できるとしています。

 天風証券の劉煜輝は、グローバリズムが清算に直面しており、中国、米国、多国籍企業などが、ある意味で臨界状態になっている、とストレートに発言しています。未来の中国は、WTOでの約束を果たし、関税を下げ、グローバルな分業の成果をしっかりとさせ、核心技術のブレークスルーを加速し、条件付きでインターネットを解放すべきだという内容を含む4つの措置を実行すべきだとしています。こうしたことをやってこそ、中国経済の構造がはじめて優れたものになる、と。こうした理性的な声を、中国政府が少しでも耳に入れるかどうかは、分かりません。

 要するに、米中両国の政治体制が異なるので、両国の貿易戦争における対応の仕方が違うのです。中国は専制独裁政権ですから、命令のでどころは一箇所です。数日前の、政府発表で、家畜の飼料が値上がりしても、消費者は不満を言いませんし、メデイァも中お政府の政策決定を、しっかり支持して、「菜っ葉ばかり食べても、我が国は断固、貿易戦争を勝ち抜く」的なお馬鹿な話を、皆、しています。

 米国は三権分立ですから、ホワイトハウスが、5月22日に最終決定するまで、メディアや各種の圧力団体が、自由に意見を述べることができますし、米国議会は5月初めに中国に対する懲罰性の関税課税についての公聴会を開きます。議会の意見は決定的なものになるでしょう。(終)

 原文は 上報 
上報 何清漣專欄:中美貿易戰進入第二回合 雙方各找盟友 

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