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★トランプ再任とブレクジットは世界を変える  2019年12月18日

Posted on December 18, 2019December 18, 2019 By minya-takeuchi No Comments on ★トランプ再任とブレクジットは世界を変える  2019年12月18日

 英国の政権政党の保守党が圧倒的な勢いで2019年の総選挙を制しました。現在の世界情勢を鑑みるに、英国の政治地図を塗り替えただけではありません。もし、トランプ大統領が2020年の大統領選挙で勝利するならば、米英連盟は世界の政治構造に影響を与えるでしょう。

 ★党派の泥沼の争いから抜け出した英国

今回の選挙の結果は、ブレクジット(イギリスの欧州連合離脱)を確かなものにしました。2016年に出現したブラックスワン(訳注1;事前にほとんど予想出来ず、起きたときの衝撃が大きい事象)は、飛ぶのが遅くはなりましたが、3年間の苦難を経て、英国保守党の政治に一層有利な羽ばたきとなるでしょう。

⑴ これは、英国保守党にとって、1980年代のサッチャー夫人が勝ち取った勝利以後、最大の勝利です。保守党は下院議席であらゆる野党と独立議員の議席を合わせたより80議席多く、何十年にもわたってずっと労働党を支持してきたイングランド北部でも勝利し、長年来の政治地図を塗り替えました。左翼政党の労働党は、歴史的惨敗を喫し、前回より59議席減の203議席しかとれず、1935年以来、最も悲惨な結果となりました。英国政界の勢力の再編成を象徴する出来事です。

⑵ これは、国民投票後、3年間のブレクジットをめぐる論争によって、英国人の思考がより成熟した表れでもあります。議会の絶え間ない感情的な争いや、さまざまなEU残留派の流す株式市場を下落させる不利な情報に直面して、英国人は真剣に考えて彼らの選択をしました。世界政治と経済には、今、強大な変化が起きています。こうした構造は、ジョンソン首相に、国内、国際問題を処理するのに大きな裁量の余地を与えるでしょう。

⑶ 欧州連合(EU)側の態度も、3年前、英国の国民投票が脱退賛成多数だったときに見せた、怒りのあまり我を忘れたのに比べると、かなり穏やかです。この3年、ドイツ、フランスは難民問題、テロ事件、経済の低迷、債務の増加の苦難によって疲労困憊しており、EUを維持するのはますます困難です。ですからEUも無理やり英国を引きとめようとしても無駄で、仲良く別れた方が良いと思っています。

 つまり、今回の英国総選挙の前に、ブレクジットによる数々の株式市場を下落させる不利な情報は、もう出尽くしました。投票所の出口調査アンケート結果で、保守党楽勝を示した直後、英ポンドの対ドル、ユーロ兌換率も、どちらも跳ね上がりました。

 英国の伝統的な外交政策の3本柱の第一は、大西洋主義とトランス大西洋の統一です。重大な国際安全問題では、ロンドンとワシントンは立場を一つにして、国際主義的な価値観を基礎とした米国の外交政策を支持し、自分の立ち位置は大西洋の架け橋で、米国に対して、欧州の観点と政策を説明し、(原注;同時に、欧州に向かって米国の観点と政策を)てきました。ブレクジットの後、政治経済軍事などの各方面で崛起する中国に対して、また一時疎遠だった盟友の米国に対して、ジョンソン政府が時機情勢を判断した適切な行動をとるならば、国際問題において独自の影響力と働きを持つでしょう。

中国 何清漣
中国 何清漣

中国2018 中国2017 中国2016 中国2015

★米国は「再び偉大」に

 2016年に、西側世界で言われた「三羽のブラックスワン」の大事件のトップだったトランプ当選は、確かに米国の運命を良い方に変えました。

 米国大統領選挙後の情景は、今日の英国よりもっとむちゃくちゃでした。左翼一辺倒のメディアの大半は、まるで両親に死なれたみたいなありさまで(原注;英国では、メディアの半数はブレクジット支持だった)、ワシントン政界では、「熊手を持って、ワシントン陶器店に暴れ込む雄牛を待ち受ける」準備をせよと公言して、米国民主党の信者たちはデモで「トランプは我らの大統領ではない」と叫び、違法移民を乗せた幌馬車は、ホンデュラスから次々と米国国境を目指していました。

 しかし、民主党が、様々な難癖をつけてくる中で、トランプ大統領は、選挙中の公約を一つずつ実現していきました。違法移民の阻止、国境の壁の修復、今年6月からは、数百万人の違法米国移民の強制送還です。

 国連での脱退の動きでは、「移民に関するグローバル・コンパクト」(Global Compact for Migration)へのプロセス策定への参加拒否、パリ気候協定からの脱退でした。これらは、左翼が高く掲げる二つの「ポリティカル・コレクトネス」ということだけではなく、
違法移民(原注;背後には人口密輸集団がいる)の主要受け入れ国をなくすことでした。後者といえば、環境NGOは、毎年これで200億ドル以上を手にしていたのが、なくなってしまったのですから、環境保護界や、フランス政府を含むメディアはトランプ大統領を、罵ってやまないのです。

 しかし、米国の運気は、このところどんどん向上しています。GDPの増加速度、就職率、経営者の買い付け指数、消費率など、どれも、「米国を偉大な物質的基盤」が現在、構築中であることを表していますし、2016年にはずっとトランプ大統領没落を願っていたウォール街も、近頃では渋々と、この株価値上がり状況は、2020年の大統領選挙まで持続するだろうと認めています。

 北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新たな貿易協定は、トランプの選挙公約の柱でしたが、メディアと民主党の嘲りを浴びながら、南北の隣国と2年間にわたる交渉の結果、12月10日に正式に、米、メキシコ、カナダ政府が署名しました。修正合意された新協定では、メキシコの労働改革を監視する米委員会の設置や議会への報告義務、労働改革が進捗しない場合の処分執行などが盛り込まれ、また、バイオ医薬品データを10年間保護する規定が削除されました。米国の労働者にとって利益を守り、収入を増やす、メキシコ米国工業会の力を強化するものでした。ずっとトランプ大統領に反対しつづけてきたアメリカ労働総同盟産業別組合会議議長のリチャード・トランカも、これは勝利だと認めざるを得ませんでした。(関連報道;)

 20人以上いる民主党の大統領候補者のパフォーマンスぶりがお話にならないことや、このままではトランプ大統領連任の危機感から、民主党の指導者ナンシー・ペロス女史は、大変無茶なこじつけの大統領弾劾を発動せざるを得ませんでした。メディアに弾劾の結果についての自信を聞かれて「自分が心配しているのは、もしトランプがもう一期やるとなれば、米国はもう元へ戻れない道に入ってしまうから」と大っぴらに答えたものです。彼女の言う「元の道」は、米国の自由競争による資本主義の道ではなく、オバマ前大統領が努力して築いた準社会主義への道で、オバマと彼女が言う「左過ぎ」より、真ん中のということです。

 民主党とメディアが、全力でトランプ大統領をけなしても、データによれば米国の経済情勢は、レーガン大統領の自由主義経済時代に追いつく勢いで、国家、国土の安全問題も遥かにオバマ時代より向上しています。もし民主党が大規模な裏工作なしに、選挙が正常に行われるならば、トランプ大統領の連任はいささかも揺るがないでしょう。トランプ大統領の大口や気まぐれな性格は、多くの人々に嫌われていますが、米国の有権者は、とっくに「トランプは嫌いだが、トランプ大統領は好きだ」と言っています。

 ★羽の折れたフランスのブラックスワン

 フランス人は、肝心な時には容赦なく右翼政治勢力を代表するマリーヌ・ル・ペンを見捨てて、「左でも右でもないし、右でも左でもある」と称したマクロンを大統領に選びました。しかし、政治の神童といわれたマクロン大統領と有権者の蜜月は、わずか一年足らずのうちにお終いになりました。マクロン大套路湯の「左右逢源」(どこからでも水源を得る=万事順調)から、「左支右绌」(右も左も力不足で問題だらけ)になってしまいました。

 2018年11月に爆発的に始まった「黄色いベスト運動」は、今にいたるまで18回も起こり、左も右も中間派も巻き込んでいます。マクロン大統領が誓った退職金改革は、今や、全フランスの頑強な抵抗に遭遇し、2017年に彼を支持した有権者も、辞任を要求しています。フランスの現実の問題に関しては、私は★ 虻蜂取らずのマクロン政治 )でもう書きました。フランスの公共債務は2018年で2兆2553億ユーロです。フランスの企業の平均税率は62.8%にもなっており、欧州最高です。個人所得税率も57.5%で、欧州連合(EU)平均の45.1%をはるかに上回ります。

 税金がこんなに高い理由は、当然、民衆の日増しに強まる高福祉への要求に応えるためです。フランスの政党は、勝利のために、みな高い福祉政策で票を集めてきました。その結果、フランス人の福祉はますます良くなりましたし、社会保障もますます完璧なものになり、労働時間はますます短くなり、各種の休暇はますます長くなりました。ページ数は3千を超え重さ1キログラムもある「労働法」の保障の下で、フランス人は、毎週35時間しか働く必要はなく、ちょっとでも機嫌を損ねるとすぐ何週間ものストライキをうちます。多くのフランス人は仕事なぞせず、福祉にたよってそれでも世間体を保った暮らしを続けています。

 フランスの現状は、保守主義の元祖ともいうべきアイルランド人のエドマンド・バーク(1729〜1797年。イギリスの政治思想家、哲学者)の「フランス革命論」の描写を思い起こさせます。「この軽率で残虐で奇怪な混乱の中で、一切の物事は不自然で、各種各様の罪行と愚かさが入り混じっている」、フランスの現状は、この描写が正確であったことをまたしても証明しています。どんな人物が当選したところで、フランス人に彼らの惰性となっている福祉を変えることは出来ません。マクロン大統領の失敗は、彼個人の挫折ではなく、フランスの政治と社会制度の失敗です。

 ★米英連盟は、社会主義思潮に打撃を与えうるか?

 2008年のリーマン・ショックの金融危機の後、欧米各国の社会矛盾は解消しようがなく、その上、冷戦終結後の世代間の価値観の転変によって、ミレニアル世代に社会主義思潮が起こりました。「ミレニアル社会主義」は、国家の関与と公平な分配、より多くの社会福祉の要求で、「緑の政治」(Green Politics)を宣伝指導したのです。

 アムネスティ・インターナショナルの調べでは、青年たちは自分が失敗したシステムの中で暮らしていると感じており、早急に現状変革を求めていました。それは、①に、気候の変化が全世界が直面する最も重要な問題であり ② 政府の主要な任務は、人民の福祉の向上だ、というものでした。この二つの点は、まさにフランス政府が長年にわたって努力してきたことで、その結果、政府が分けてくれるケーキに依存するのは、当たり前だ、というフランス民衆を育て上げ、マクロンが2019年の新年演説で述べたような状態になりました。

 つまり「仕事を減らして、多くのお金を求め、税金を減らして、支出は増やし、自分たちの生活習慣は変えないで、もっと綺麗な空気を吸いたがる」と言うことです。各国青年が感じている「失敗したシステム」は事実ですが、彼らは、失敗システムがどうして出来たかについては知らないのです。

 英国の歴史上、傑出した首相だったサッチャー夫人は、かつて、いささかも誇ることなく「人類のあらゆる厄災はみな欧州大陸からやってきた。そして全ての解決方法は、みな英語国家からやってきた」と言いました。トランプ大統領が、もし、2020年の大統領選挙で連任し、英国保守政権がブレクジットを果たすならば、この二つの近現代の西側憲政文化のコアな部分が安定し、人類社会はあるいは、全世界の左翼思潮の捲土重来に対して対抗するチャンスがあるかもしれません。これは、未来の文明の方向に関わる大事です。

 今日のロシアは、かつてのソ連が1917年に社会主義革命の中心だったような役割は果たせませんし、中共の権力者も1968年に左翼青年たちの偶像になった毛沢東のようにはなれません。つまり、ミレニアル世代に思想の中心となるリーダーはいません。これは世界にはラッキーなことです。

 米国の民主党は、もし次回大統領選挙で勝てなければ、その末路は今日の英国労働党のようになって、自分たちの支持者にも見捨てられるでしょう。米国の政治地図は、再構成されるでしょうが、これは米国には幸運なことです。

 人類社会は、一つの重大な転換点に直面しています。米英両国の間で、かつてのレーガン大統領とサッチャー首相のような新自由主義経済の同盟が成立するかどうかは、世界の未来に関わる重要なことです。(終わり)

 原文は;川普连任、英国脱欧或将重构世界 

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