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★人権問題で「中国包囲網」が国際戦線化  2020年1月1日

Posted on January 2, 2020January 2, 2020 By minya-takeuchi No Comments on ★人権問題で「中国包囲網」が国際戦線化  2020年1月1日
中国 何清漣
中国 何清漣

中国2018 中国2017 中国2016 中国2015

ファイブ・アイズ (FVEY)(訳注1;インテリジェンスにおける共同協力の条約、多国間UKUSA協定の締約国。米英豪加NZで構成、後述)のニュージーランドでは、中国が影響力を『購入」したために親中国です。で、このファイブ・アイズは、一度は、もうすぐ崩壊するとも言われていました。ところが、現在、他の4カ国が、大っぴらに中国の浸透に反撃の狙いを定め、他の国も参加して、再び中国にとって頗る気に入らない国際線戦が形成されようとしています。狙いは、それぞれの国で、反スパイ法、浸透防止法、外国代理人登記法案からなります。

 ★マグニツキー法 を実施する国が増えてきた

 2019年最も中国当局を憤慨させたのは、米国が11月に議会を通過させた「香港人権民主法案」でした。この法案のキモは、香港の人権迫害に関わった香港と中国政府の官僚の個人責任を問うものでした。その内容は、2016年に出来た「世界マグニツキー法」(The Global Magnitsky Human Rights Accountability Act)(訳注2;ロシアの弁護士マグニツキーは巨額の横領事件を告発したが、逆にモスクワの牢獄で死亡。米国ではこの事件から、2012年、関係者のビザ発給禁止、資産凍結を可能にする同法を制定)と基本的には同じです。

「世界マグニツキー法」は、米国の国内法です。2009年、ロシアの税務関係の弁護士のセルゲイ・マグニツキーが、反腐敗の声をあげて勾留され暴力を受けて死亡しました。2012年、米国議会は、彼の名を冠した法律を作り、重大な人権侵害に関係したロシアの役人の米国における財産を凍結し、入国を禁止しました。

 2016年には、この法律を基に、「世界マグニツキー法」を制定し、全世界のいかなる場所においても、重大な人権侵害や汚職に関わった役人へのビザ発給禁止の個人制裁を、行政機関に許可しました。事件を起こした人物だと認定されると、米国政府によって人権侵害者だと公表され、米国入国を拒否され、米国内の財産を凍結され、米国企業、銀行は、その人物や関係企業とのビジネスが禁じられます。

 2017年、トランプ大統領は13818号行政命令で、制裁条件に合致する人権侵害者の基準を拡大し、責任者と共謀者に対する基準を下げました。いったん米国から制裁名簿に掲載された場合、その他の責任追及機関が動き、米国と国際法執行部門も関連刑事事件として調査されます。

 ザ・オーストラリアン紙によると、豪州のマリーゼ・ペイネ外務大臣は、議会の国防、貿易連合委員会に対して、米国の「世界マグニツキー法」に鑑みて、立法を検討し、豪州版を制定するように求めました。この法律は、人権侵害行為の責任者と、重大な汚職の実質的な協力者、賄賂を提供した外国人への、ビザ発給とその財産に関しての制裁を課そうというものです。

 もし豪州でこうした法律が出来たら、ファイブ・アイズでは米国、英国、カナダに次いで4番目の、同様の法律を備える国家になります。これまで、マグニツキー法の基本法案や、類似した法律を認めた国家にはエストニア(2016年)、英国(2017年)、カナダ(2017年10月 外国腐敗官僚被害者正義法)、リトアニア、ラトビアが2018年2月、バルト3国で最後の立法国となりました。欧州連合(EU)も現在、メンバー国家にこの法律を実施するように求めています。

 「世界マグニツキー法」実施後、米国政府は、この法律に基づいて一部の国家の官僚に対して制裁を行いました。2017年、トランプ大統領は、中国の警察官の高岩に、護憲人士の曹順利の死亡に関わったと認定しました。これまでのところ、高岩が同法によって制裁をうけた唯一の中国官僚です。

 2018年11月15日には、米国国務省が、サウジアラビアのプロテスターで、ワシントンポスト紙のコラムニスト、作家のジャマル・カショギ殺害に関わった17人の官僚の米国資産を凍結し、米国人が彼らと取引することを禁止しています。2018年8月17日、米国財務省はビルマの軍隊と辺境防衛警察の6人の指揮官に、ミヤンマー・カチン州、シャン州の民族浄化に関わり、広範な人権侵害を行ったとして制裁を課しました。

 不完全な統計ですが、「世界マグニツキー法」が実施されて、これまでに百人以上の重大な人権侵害で外国の官僚が制裁を受けています。中国の劣悪な人権状況に鑑みて、また中国には百万人単位で子供達を海外に住まわせている逆単身赴任の「裸官」が居ることを思えば、この法律は、主に中国の官僚たちの人権侵害行動に対するものであると分かります。

 ★反スパイ、反浸透と外国関与に対する立法も次々と

 この20年間近く、中国は勢いにまかせて、対外的に大々的に浸透行為を行ってきましたが、対中国政策は、親パンダ派(親中国派)が牛耳っていたために、見て見ぬ振りをしてきました。米国は「群れを先導する羊」ですから、世界各国も皆、これに習えで沈黙してきまた。しかし、米国が中国スパイの米国内での活動を、詳しく捜査するようになってからは、西側各国も行動をとるようになりました。

 米国では、新しい法律を作るのではなく、埃をかぶっていた古い法律の外国代理人登記法を再活用しました。2018年9月、米国司法省は、新華社の米国支社と中央電視台の海外版の環球電子網を、外国代理人登記法に基づいて登録を命令しました。

 同法によれば、「外国代理人」とされたメディアは、必ず毎年の予算と出費、所有権を明らかにしなければならず、出版物に自分たちが外国代理人だという「免責声明」を掲載しなければなりません。これに対して、中国政府は米国は「冷戦思考」で騒いでいると強く反発しました。

 米国がこの外国代理人法を制定したのは、1938年のことで、その時はナチスドイツの米国への影響を阻止するためでした。第2次世界大戦終結後は、この法律はほとんど使われることはありませんでした。米国司法省の2016年のデータでは、1966〜2015年までの間に、たった7件しかこれに関係した案件はありませんでした。

 米国の影響を受けて、西側国家も関連立法に動きました。豪州は2018年6月に「スパイと外国干渉法」を、12月には「外国影響力透明法」が議会を通過しました。ABCの関連報道によると、2018年9月までに、豪州では500の人や機関が、自主的に政府に登記するように求められました。しかし、政府の公式サイトではたった64件しか登録されていません。主に鉱業関係の大物です。今の所、豪州政府は未登記者を起訴していません。ですから、この法律が人権を侵害しているという文句には証拠がありません。

 2020年は、台湾総統選挙の年で、政権党の民進党は今、反浸透法を、2019年末までに立法を終えたいとして、推し進めています(訳注1;12月31日、立法院で成立)。野党側は、民進党は立法の過程で、政治的な妙味を獲得したいだけだ、国民党の候補者に、レッテル貼りをして赤帽子をかぶせたいのだと反発しています。これに対して、民進党は、中国の台湾への各種の浸透は日増しに深刻で、反浸透法は具体的な犯罪行為に対してのものであって、勝手に無実の罪をでっちあげるものではない。台湾のシンクタンクの調査では60%以上が法案に賛成しています。

 ★反中国際包囲網を懸念する中国

 2019年12月、英国総選挙が行われ、保守党が大勝しました。新政府は数十の立法計画を提起し、その中にはスパイと外国代理人に対する厳しい措置を含まれます。中国は、これはジョンソン政府が米国に倣って、英国版反スパイ法と外国人代理人法を試行するものだと見ています。英国通信管理局は、最近、中国官製メディアの中央電視台参加の中国国際電視台(CGTN)の香港の「反逃亡犯条例」関連報道の内容は、全てがその他の中国官製メディアと同じで、「公正な報道」の原則に違反する疑いがあるとして、同電視台に対して4項目の新たな調査を行うと発表しました。

 中国側は、西側国家の関連立法に神経をとがらせています。「環球時報」は、12月21日に「英国の反スパイ法案の背後にある”国際戦線”」と題する記事を掲載しました。それには「最近、次々に反スパイ法案といわゆる外国代理人への措置を強化しているこれらの国家は、全てファイブ・アイズのメンバーだ。…米、英、豪などが一連の反スパイ法案を制定しているが、ますますその方向性がはっきりしてきた。別の方面の法案は、連盟間の期間の情報協力機関を強化するものだ。こうした法案は、冷戦的色彩を帯びた反スパイ国際線戦が、合法的な見せかけを装ったものだ」としています。

 過去20以上の間、中国は西側各国で、自由自在に浸透しており、豪州はその被害を最もひどく受けた国でしたが、今や各国は次々に中国を対象にした関連立法を進めています。狙いはつけられたばかりなのです。(終わり)

 原文は;人权问责立法 “反华”国际战线成形

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