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民主への道を拓く勇者・郭飛雄

Posted on December 23, 2015 By 何清涟 No Comments on 民主への道を拓く勇者・郭飛雄

何清漣

2015年12月22日

全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

https://twishort.com/RECjc

2015年11月27日、郭飛雄は広州市天河区裁判所で”公共の場所で秩序を乱した罪”と”騒動挑発罪”なるでっちあげの罪名で6年の徒刑に処せられました。この罪名を着せられたわけは2013年「南方周末」の新年特別号事件が起きた時、郭飛雄が何人かの仲間と報道の自由を勝ち取るために南周の編集記者を応援したからです。

21世紀の中国は「社会運動」と呼べるほどのものといえば護権運動だけで、それは国内外で様々な反響を生み出し広がりました。2003年の運動から新たな局面が生まれて十数年の間に人望ある指導者が生まれてきましたが、郭はその一人であり、かつ鮮明な特徴を持った人物です。笑蜀(*著名作家、評論家)は「民権の英雄・郭飛雄」(NYタイムズ・2014/11/30)でよく真に迫った紹介をしています。

;「郭飛雄の特徴は二つ。一つはまっしぐらな勇敢さ、もうひとつは理性だ。『直拙』(*勇敢で質朴で率直)なのである。『説文解字』によると、”直、正しい考え、拙、上手ではない、うまくやろうとしないこと、だ。まさにその勇敢で直拙であるがゆえに郭飛雄は事において勇敢で、困難を知ってなお進もうとする。かくて私、笑蜀は郭を”大砲に狙われるレベル(炮灰级)の行動者”と称える」。

中国の市民の権利を護る運動の始まりは一般に2003年に大学生だった孫志剛が拘置所で死亡した事件(*不当な理由で拘束され、その後、病死と発表されたが調査の結果、殴打されて死亡と判明)から始まるとされています。「三博士の上書」があり始まった護権運動はその後、無数の困難に出会う中で何度か高まりをみせました。その第一の高まりが2005年の広東太石村の護権運動でした。当時、広東番禺太石村では村民委員会の深刻な財政問題が起きており、村民は腐敗した村民委員会の罷免を要求しましたが、区政府は千人にのぼる警察官を動員して数十名の村民を逮捕し事件はエスカレート。郭飛雄は村民から委託を受けた代理人として護権活動にあたり、その役割を笑蜀は「郭飛雄は知識界、世論界、法律界の多くの精鋭をその事件の中に投じ、市民社会の力を護権運動に呼び込んだ最初の例として、基層部分での政権との激烈な応酬を展開した」と書いています。この事件は政治的護権の高まりを呼びました。太石村の護権運動の社会的参加の広がりと深さは今にいたるまで他の村の護権運動が超えることのできないものです。

郭飛雄の受難もまたこの時から始まりました。この後、郭飛雄は何度となく護権活動のために中国政府によって逮捕拘留され、2006年から2011年に5年間入獄させられ、彼に対する取り調べは200余回に及び、中には13日間連続、夜も寝せないということもありました。殴る蹴る、髪の毛を引っぱり電気拷問などあらゆる手段が人間の耐えうる極限まで使われたのですが、郭飛雄はくじけるどころかますますその勇気をしめし、186日間のハンガーストライキを続けその意志の強さは人々をして尊敬させました。

郭飛雄の妻・張青女史と双子の娘もとばっちりを受け、ひどい目にあい子供達は入学する権利まで奪われました。どうする術もなく張青は二人の子供をつれて海外の人権活動家の援助のもとで危険を冒して米国へ渡り、多くの中国の亡命一家の仲間入りをしました。郭飛雄は2011年に出獄5も再び民間闘争に身を投じました。この間、私は彼と電話で一度話したことがあり、出国してアメリカで家族団欒の暮らしをするつもりはないのかを尋ねましたが、彼はこれからが中国が民主憲政に変われるかどうかの大事ない時期だから中国を離れたくないと答えました。

郭飛雄の「直にして拙」は彼が明らかに強権に逆らえばどのような目にあわされるかを承知の上で、それでも一歩一歩、「狙い撃ちされる行動者」としてすすんで甘んじるということです。2011年出獄ののち、再び民間護権闘争に率先参加して、2013年始め、南周新年祝賀事件ののち、仲間の護権活動家とともに街頭活動を組織し応援しました。笑蜀は「今回の街頭活動声援は1989年以後の中国で初めての成功した政治集会の実験だった。それは市民の主権者たる身分自分たちの政治的権利を積極的に行使する大胆な試みだった。郭飛雄はそのリーダーとして恥じぬ人物。そして彼はとどまることなく全国人民代表大会で「市民の権利と政治的権利の国際条約」を批准する市民署名に連署し、同時に「全国8都市連続講演会」を組織して小さなグループで8都市で宣伝してまわり、再び市民政治集会の記録をうちたてた」と書いています。これらの活動が再び当局によって犯罪とされた理由であり、その彼への弾圧は人々を猛烈に怒らせました。2013年8月8日に逮捕されて以来、郭飛雄は広州天河の拘置所に押し込められたのでした。

しかし、こうした非人間的な弾圧も郭飛雄を屈服させることはできず、ただ民主憲政だけが中国を専制政治の悪から救い出すことができる、という政治的信念を強めさせただけでした。2015年11月27日の一審判決の後、郭飛雄は自の長年の思想をあらわし「憲政民主政体革命はなぜ必要なのかー郭飛雄の上訴状」を書いたのでした。この30000文字に及ぶ志を明らかにした長文のうち、裁判所の判決のデタラメさを指摘し、自分と連座した知人の弁護に使ったのは4900文字であり、他の25000文字はすべて中国の危機に痛いほどの警鐘を鳴らすものであり、その危機を脱するための自らの考えを書いています。

なかでもとりわけ貴重で困難なことは、郭飛雄は当局が残酷な暴力をもって彼の民主主義と憲政の理念をやめさせようとしたことをもって暴力的な極端な道へ走ろうとはしていない点です。「上訴状」のなかではこう書いています。

;私たちの純正な深い動機は別に隠す必要などまったくない。私たちはいつも正々堂々と平和的に行動によって中国の民主運動の波を動かそうとし、人民主体の政治パワーを強化拡大しようとしてきた。それによって多元的なバランスのとれた民主政体を中華の大地に徹底的に実現を促進させるのだ。

これのどこが「上訴状」でしょうか?これは明らかに民主憲政の理念をひろめるための原稿であり、上訴状の形をとって彼に判決を下した人々に「学習」させようとしているのです。

裁判官たちに憲政の常識を教えるために郭飛雄は政治理念の形成された根源までさかのぼって、まず政体の問題の上で何が本当の「中国の国情」というものなのかをはっきりさせています。中国の古代政治文明の専制制度の弊害にさかのぼって、さらにローマ法の病毒、つまり古代ローマ帝国の中央集権がうんだ反自然的正義と慣習法による「王は法律以上の存在論」から、貧しい人々を解放するために結果の平等を追求した中共の革命とその弊害をこうのべています。

;このおおっぴらに自由、民主、人権、法治の理念を否定し拒絶する平等革命は内容が乏しく偏狭なばかりか手続きてきなルールと法律の保障を書いている。精神的な面で言えば、それは一種の形式主義的な絶対平等崇拝であり、その道徳上の光は暴力的な土地改革、新型の氏姓制度(*毛沢東時代の”出身身分論”)、宗教の自由などを血生臭く破壊したこと、非正義の行いによってあいまいにされた」と。

「裁判官」がこうした歴史的政治的な問題を考えたことがないことを確信しています。

郭飛雄は中共が現在、人民を苦痛と不幸の中に陥れ、自らも苦境から逃れることができないでいる根源についてこう書いています。

;専制治安システムが違った政見の持ち主や信仰を同じくしない者への残酷な弾圧、残酷な刑罰の濫用で鎮圧を旨とすることは深刻な人権上の災いを引き起こす。この種の軍隊以外の第二暴力というべき機関はコントロールを失った醜悪なスパイ政治による災いを撒き散らし、それは特権階級の共同体と結盟し、いかなる政体にとっても致命的なガンとなる。人権に深刻な危機をもたらす制度の要素はさらに中央集権政体が行政の効率を追求することを代々繰り返し、法律を放り出し、甚だしきにいたっては法律を侵犯し「法律の代わりに行政を用いる」というのが習慣化する」と。

最後に郭飛雄は自分の憲政と民主に対する理解として;「中国の未来の政体は必ずや主権者である人民が現実に主導し、操作し、コントロールする多元的なバランスのとれた憲政民主政体になる必要があり、李光耀のような、プーチンのようなストロングマンがあやつる非自由選挙下にある実質的な専制体制であってはならない、と述べています。

郭飛雄の「上訴状」を通読しておもうのですが、卑下せず奢らず、その清明な理性は彼が受けた残酷な拷問によって普通は必然的におきる憎悪や怒りがいささかも行間から伝わってはきません。その文字からはただ国民のためだけを思う赤心が躍動しています。郭飛雄は当然のことながら中国の前途が中共当局が突然、目覚め悟って民主を実施するようになるなどとは考えていません。権利意識に目覚めた世代の中国人に期待しているのです。

;この一世代の中国人は中華民族が進める第二代民主の実験と多元的バランスのとれた憲政民主政体が中国の大地の上の現実的な制度に変える歴史的使命を持っている。それには一世代の目覚めた市民が強靭な道徳と勇気をしめさねばならず、専制主義にむかって普段に平和的な反対と行動的な啓蒙を発揮し、専制陣営の内外から変えていくことを加速するのだ。

;それには一世代の目覚めた市民が持つべき政治的知恵、よびかけ、絶対多数の同胞との団結、ゲームのルールを改変する双方の実力をくらべて、人民の主体的力量が憲政民主政体革命実現させさらに一世代の目覚めた市民は古今東西の政治憲章を集成し、自らの知恵の上に、憲政民主政体の中国版を作り出すための歴史的な原則のために自由な想像力をもたなければならない。憲政民主政体は現代政治文明における「基本となる善」なのだ。

郭飛雄が獄中で書いた「上訴状」は上訴というより、憲政民主の理念に対するひとつの深い詳細な解説です。この上訴状を読んで、私はこの長年の知り合いで二度しか会ったことのない後輩の英傑に対してより理解が深まりました。子供の頃、私は黄遵憲(*清朝の外交官、詩人、『日本国志』40巻の著作もある)が谭嗣同(*wiki;清朝末の改革主義者、民族主義者、哲学者。戊戌変法に参加したが捕らえられ、刑死)を悼んだ詩を読んだことがあります。

颈血模糊似未干
中藏耿耿寸心丹
琅函锦奁深韬付
留寄松阴后辈看

(*これは浅学のジジはよう翻訳無理(^^;)。首を切られた血が乾かないが、胸の赤心は赤々として…吉田松陰のように後に続く者を…、みたいな意味かしら(・・?) どなたかご教示を。)

私はこの「憲政民主政体革命はなぜ必要なのかー郭飛雄の上訴状」が郭飛雄が中国の未来に向けて捧げた貴重な文書として、中国人の思考を刺激し憲政民主への奮闘目標となることを願ってやみません。

そして、もしそうなったなら、それこそは中国の幸せであり、中華民族の幸せであるとおもうのです。
(終)(《中国人权双周刊》第172期  2015年12月11日—2015年12月24日)

拙訳御免
原文は;郭飞雄:甘当民主宪政铺路石的大勇者  http://biweekly.hrichina.org/article/31047

 

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日文文章 Tags:何清漣, 民主, 郭飛雄

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