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「政治的正義」が国家の安全より重視されてよいのか?ー独・ケルン事件を考える

Posted on January 10, 2016 By 何清涟 No Comments on 「政治的正義」が国家の安全より重視されてよいのか?ー独・ケルン事件を考える

何清漣

2016年1月10日

全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

https://twishort.com/BRJjc
国家の健康ぶりは日常生活の秩序が維持されていることのほかに、更に重要な指標は社会危機が生じた後に政治と民間が一致して有効な対策をとれるかということです。「欧州の背骨」と言われるドイツとフランス両国が危機に直面して取った態度は異なります。パリのテロ事件はフランスの政治的神経に「痛覚」を取り戻させたようですが、ドイツの政治的神経は深刻に混乱したままで、ドイツ政界は自国の現状にあたかも砂漠のダチョウのような姿勢で相変わらず大事なのは「政治的正義」であって国民の安全ではなさそうです。

★「政治的正義」が社会の痛みを政界に感じさせなくしてしまった。

ドイツのニューイヤーイブに起きた「集団痴漢事件」は最初に報道されたよりはるかに深刻なものでした。南ドイツ新聞の1月9日のニュース(http://www.sueddeutsche.de/panorama/nach-uebergriffen-zahl-der-anzeigen-zur-koelner-silvesternacht-steigt-auf-1.2811409 ドイツ語)によると

;警察は刑事事件として379件のうち、性的な侵害行為が4割を占めていることを明らかにしました。そして事件を届け出た通報では、犯行に及んだ絶対多数が北アフリカから来たものであり、また大半が避難民やドイツの違法滞在者だと。ケルン事件の「新年」捜査班は現在100人の捜査員があたっている。通報者があえて名乗り出たがらないのは「政治的な正義」に直面した政府部門の不作為の圧力によるもの。事件の性質があまりにもひどいので誰かが責任を取らねばならず、この度事件の責任はケルンの警察局長に負わせることとなった。ケルン警察局長のウォルフガング・アルバースは「臨時休暇」を言い渡された。北バイエルン州の内政部長は1月8日、この措置は市民の信任をとりもどし、ケルン氏の警察の対応能力を再建するためのものである、と述べた。

ケルンの警察局長を免職にしたのは実はドイツ当局が「政治的正義」の旗がボロボロになるのを避けるためにとった措置です。ケルン警察の大晦日の記録は当時の「集団痴漢事件」が発生したとき、少なくとも100人を取り調べたことがわかっており、その多くは「特別在住許可証」(避難民と認められるまでの臨時居住許可証)をもっていました。アルバース局長は現場から事情を直接聞いていたはずなのですが、その後何日にも渡って「顔つきからみて大部分がアラブ国家または北アフリカからきたとみられる」とあいまいな言い方に終始していました。彼が難民だと明言しなかったのはきっとメルケル政府の「政治的な正義」に応じる行為だったのでしょう。メルケルの数々の当を得ない政策の数々によってドイツでは「難民」は「法の及ばない大切な客人」になってしまっているのです。

★な難民が「治外法権」を享受できるようになったのは誰のせいか?

「メルケル首相;『法治国家の手段で強硬に、と反応』(DW中文,2016年1月5日)という記事では特にこの部分が注目です。

;ドイツ政府のスポークスマンであるステファン・シーベルトによれば「メルケルは、事件を起こしたものがどこから来たものであり、どんな背景があってもすみやかに事件を徹底捜査して法に基づいて犯人を逮捕する」

米国の読者ならこの言い方は特に変だとはおもわないでしょう。米国では「法律の前に人々は平等」ですから。しかし、中国人ならこの話はどこか、中国で特権的人物やその子供が違法犯罪を犯したとき、政府側がいつも発表する談話にそっくりだとおもうでしょう。最近なら天津の大爆発の後、国務院の調査班が決意を「爆発事故に誰が関わっていようとも、背景がどうあろうとも徹底的に調査する」と言いました。

ドイツは法治国家といいますが、メルケルのこの言い方は、ドイツには今、一群の「法の外側にいて大事にされる人々」がいて、法を犯しても懲罰をうけないでいるということです。それは他でもないつまりシリア難民なのです。

その論拠をおみせしましょう。

;難民がドイツで治外法権的特権を持っていて、強姦しても罰せられない
ドイツの法務大臣のHeiko・Massは1月8日、ツィッター上で「強姦が除伐されない状態をこれ以上継続することは許されない」と書き込みました。そこでドイツの新聞界で「本年の優秀記者」に選ばれたことのあるマテアス・メイズナーにすぐさま「ヘイコさん、一体いつから強姦が罰せられない状態が始まっていた、というのですか?」と突っ込まれました。

実はドイツ人は難民が強姦事件を起こしても罰せられないということははっきり知っていました。難民キャンプのボランティア女性や看護婦がそうした目にあっていたのです。2015年9月にジンメルリンゲンの病院で40回も難民が看護婦にセクハラをした事件があって、病院側が看護婦保護の警備員を雇ったことがありました。(http://www.schwaebische.de/region_artikel,-Sicherheitskraefte-schuetzen-Krankenschwestern-_arid,10344380_toid,623.htm)

ケルンの「集団痴漢」事件後、ケルン在住のトルコ人の男性がイスラムの兄弟たちに「ここはドイツなんだ」と彼らに女性を尊攘するように訴え「おどろいたのはおまえさんたちが毎週週末に自分たちの性欲を町の中心で晴らすというおそろしいことをやってきたのに、元旦前日まで注目されなかったことだよ」と書いています。(http://www.focus.de/politik/videos/hier-ist-deutschland-deutsch-tuerke-hat-botschaft-an-alle-maenner-die-frauen-nicht-respektieren_id_5194984.html)。この話が証明しているとおり、ケルン市の中心はすでに女性がセクハラを受ける場所になっていたにもかかわらずケルン市の警察や市長は見ざる聞かざるを決め込んでいたのでした。

これに対して、シリア難民たちは自分たちの特殊な治外法権にすこぶる満足のようです。ドイツの「デア・シュピーゲル」誌は1月7日号で「ケルン新年イブの集団痴漢事件の警察内部報告」と題して、現場にいった勤務中の警官が囲まれて、救助を邪魔された上、ある男は「俺たちはシリア人だ。おまえら大事に扱えよ、メルケル女史が俺たちを招いてくれたんだからな」といい、またある男らは警官の面前で自分たちの居住許可証を破き捨て、笑いながら「おまえらにはどうしようもないんだ。おれたちは明日また新しいのをもらうから」と。

★「政治的正義病」に深く侵された社会とメディア

どんな社会でも特別大きな事件が起きたあとは、政府は当然、主要な政治責任を負うべき存在です。しかし、ドイツではそれがそう簡単ではありません。というのもメルケルはドイツの主流政治勢力を代表しており、そう簡単には自分たちの「正義」の観念を変えたりしないのです。現在、メルケルは難民に対する態度をキリスト教民主連盟のハイレベル会議で現在の避難の法律を訂正してちょっと調整するだけですませようとしており、長期的に有効な政策をとろうとはしていません。

ケルン事件のあとドイツのメディアは三日間沈黙していました。あるドイツの新聞には即座にケルンの集団痴漢事件が難民の集団によるものだという実態を報道しなかったのは、政府が公共騒擾事件と難民を連想させるようなことをして極右分子に口実を提供してはならないと判断して関連事件を報道しないようにメディアに命じたのだという指摘をしています。社会の圧力のもとでドイツZDFテレビの副総裁Elmar Thevessenは、事件の当日これを全く報道しなかったのは明らかに誤りだったとフェイスブック上で謝罪しました。

「政治的正義」を重んじ事件を報道しなかったのはフェニックステレビも同様でした。前ニーダーザクセン州犯罪研究所長で同州の法務部長だったドイツの犯罪学教授のChristian Pfeifferは犯罪について話してくれとテレビ局にいわれて円卓に座っていたが放送開始の直前にテレビ局のディレクターがケルン事件の女性暴力については言及しないでくれ、でないとすぐ打ち切ると言ってきたと語っています。(http://www.faz.net/aktuell/feuilleton/medien/oeffentlich-rechtliche-regie-wer-zur-gewalt-in-koeln-nicht-gefragt-ist-14004450.html#GEPC;s30?%E2%80%A6)

★ドイツの政治家は国家の安全と自国人民の利益優先を知るべき。

ドイツの抱える面倒ごとは今、始まったばかりです。ケルン事件後、EUの一部の国々の反応は迅速でした。スロバキアはムスリム難民の受け入れを拒絶しました。チェコも同様の措置をとりました。ボーランドの総理はテレビで難民申請者には厳格に対処すると述べ「我々は女性、児童、老人の戦争難民を助けたいと願っている。しかしケルン事件の主役のような青年壮年男子はその必要がない」と述べました。11月7日、EU理事会の回り持ち主席のオランダの首相はこれから半年、庇護を求める難民の数を少なくすることが重要な使命だ、とのべました。2015年11月に彼はEUが国境に適切なコントロールをして中東や中央アジアの難民の大規模流入を止めなければ、ローマ帝国の転覆のような危険がありうる、と警告していました。フランスも全国で反テロの措置を強化するとしています。

ドイツのメルケルは彼女の道徳上の高みの虚言から降りて、自分の誤った政策が生んだふたつの重い結果を直視すべきでしょう。ひとつは社会秩序と国家の安全を再建する問題。ケルンの夜警報告がすでに明らかにしているとおり、ドイツの現有警察力では難民が起こす社会的突発事件に対処できません。ふたつには福祉方面の堪え難い負担です。ミュンヘンのIFO経済研究所のHans-Werner Sinn所長によると計算した今年度の難民関係の支出は210億ユーロにのぼります。世代間会計で計算しますと、100万人お難民を基準に計算すると難民支出は全体で790億ユーロから4500億ユーロになります。現在と2016年は大丈夫ですが、その後はその費用をどこから工面するかわかりません。やるにしても増税か支出削減しかないでしょう。ドイツの低所得者層は仕事でも福祉でも難民の直撃を受けます。そしてドイツのデータによると現在のドイツには700万人の国家社会の救済を受けている人々がいます。

ドイツ政府はドイツ人の納税者の納める税金で維持されているわけですから、まずは自国人民の福祉と安全に責任があります。ドイツの女性の権利主義者のAlice Schwarzer は世論調査の結果をもとに反イスラム(Pegida)運動を始め、反イスラム運動に理解を示しました。この世論調査では49%が全面的、あるいは比較的に運動を支持し、26%がその主張の一部に理があるとみとめています。(http://www.handelsblatt.com/politik/deutschland/pegida-und-die-folgen-alice-schwarzer-zeigt-verstaendnis-fuer-anti-islam-demos/11195572.html)これはドイツ国民の政治的立場がまさに右傾化している表れです。ドイツ政府は必ずやこの民意の風向きを考量しなければなりません。

ドイツが1年のうちに110万の難民を受け入れることについて、ドイツの政治家は難民はテロ分子ではない、と言います。これは部分的には事実です。しかし別の部分があります。テロリストはその難民の中に紛れ込んでいるのです。(ノルトライン=ヴェストファーレン州警察は1月7日、パリ警察曲を攻撃したテロ分子が以前、同州のRecklinghausen難民キャンプにいたと発表)。過去の経験はドイツはこうしたイスラム移民に紛れてドイツに入国するのに対処する力がないことを証明していますし、今後ともその力はないでしょう。唯一の賢明な対処としては、うわべだけ耳障りの良い「政治的正義」に固執することの誤りを認め、これ以上の損害を食い止める方法を考え、すくなくとも自国の婦女を守り、彼女らの尊厳が侵されないようにするべきです。

なお本文のドイツ語資料調査ははドイツのネット友達の野罂粟@WilderMohn 女史によるもので、Dunkelheit @ImperatorSinica 氏も資料提供など多大な援助をしていただいたことをここに感謝します。(終わり)

拙訳御免。
原文は;何清涟:德国的戏剧:“政治正确”高于国家安全2016.01.10 12:04

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日文文章 Tags:ケルン事件, 何清漣, 政治的正義, 難民

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