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★中米経済戦はガス抜け気味だが、地政学的摩擦は残る★2017年2月26日

Posted on February 26, 2017March 1, 2017 By minya-takeuchi No Comments on ★中米経済戦はガス抜け気味だが、地政学的摩擦は残る★2017年2月26日

 2月23日、米国政府が中国の為替レート操作に関して、発したシグナルはなかなか味わいの深いものです。トランプ大統領は「ロイター」のインタビューに答えて、依然として中国を為替レート操作における「チャンピオン」だとしましたが、米国の財務省長官になったSteven Mnuchinは、「ブルムバーグ・ニュース」などのメディアに対して、財務省が近い将来に中国を為替レート操作国家に指定するつもりはないと述べ、中国側の役人との間には「すでに大変良い話し合いが行われている」と述べました。

 大統領が中国が為替レートを操縦しているという指摘は事実ですし、財務長官が表明したのは米国の関連政策です。見たところ大変矛盾しているようですが、実はやはりこれまでと同様で、現実を考慮し中国を為替レート操作国には指定しないということです。違いは大統領の態度で、歴代大統領は事実に対して沈黙したのに対し、トランプは大っぴらに責めているわけです。

 

中国はなぜ「為替操作国」にされたくないのか?

 米国の財務省が政策的配慮をするのは、別に意外だとは思いません。中国側がこれまで何度もえらく心配していた時、私は「中国は確かに世界最大の為替レート操作国家だが、しかし、米国がそう決めつけることはしない」と申し上げて来ました。もし、米国がそうしたいというのであれば、まず、どうしたって現在の規定そのものを改定し、対中国様に別の基準を1セット準備しなければなりませんが、規則を重んじる米国にとっては困難なのです。次に、米中関係は多くのファクターによって縛りを受けていますし、その中でも国内的にも大きな制限を受けているのです。

 2016年10月中旬、米国財務省は関連レポートで、もしある国が以下の3つの条件を満たすならば、為替レート操作国に認定されうる、としました。

 1)米国貿易で200億米ドル以上の黒字。
 2) 経常収支の大幅な黒字が当該国のGDPの3%以上(2016年の中国の経済収支黒字はGDPの1.9%で、2915年の2.7%。米中のデータは一致)
 3) 外国通貨の買い入れによる自国通貨の安値維持。一年以内に外貨の総量の購入がGDPの2%を超えた時。(中国の去年の外貨準備ははっきり減少状態にある。2016年12月末までに中国の外貨準備高は3.01兆ドルで2011年2月以来、最低水準となり、同年中の減少総額は3198.45億米ドル、マイナス9.6%。今年の一月には更に2.998兆ドルに下がった)

 米国財務省は、この三つの基準で言えば、中国は貿易黒字の差額が200億ドルを超えることを除けば、他の二つの基準には合致しないと指摘しました。

 

中国を「操作国」にする困難さは

 (1)米国財務省の長年のルールによる制限

 米国財務部の決めている為替レート操作国の基準では、中国は貿易黒字という項目にしか該当しません。しかし、ドイツ、日本、スイス、韓国、台湾は二つに触れます。例えば、日本は貿易黒字と経常収支の大幅な黒字に引っかかり、今回日本は「観察リスト」に入れられています。

 米国は法治国家ですから、中国を為替レート操作国に入れようとするならば、必ず基準を変えなければなりません。しかし貿易相手は中国だけではありませんから、変えようと思えば他の国の状況も見なければなりませんで、中国だけに合わせた基準を作るというわけには行きませんし、更に国会での審議を受けなければなりません。ましてや中米関係は双方に言い分があり、一方通行の協力関係ではありませんし、経済以外にも、地政学的な考慮も経済を牽制します。

 (2)多層的な利益関係の現実への配慮

 米国に言わせると、人民元の切り下げのスピードが速すぎて、米国貿易と製造業に打撃を与えています。しかし、二年前まで米国議会は長年、人民元は切り上げすべきだと主張して来ました。しかし中国側から言わせれば、この要求は人民元の実際の状況と全く反対なのです。

 2005年以来、人民元はずっと一種のへんてこりんな状態にありました。対外的には米国などが、切り上げろという要求を突きつけていました。対国内的には、人民元は巨大な切り下げ圧力に直面して来たのです。この原因は中国が過去10年間に世界最大の通貨印刷機になって紙幣を乱発し、物価が急速に上昇したからでした。中国人の一人当たり平均収入が米国の5分の1にならないのに、生活用品の価格が米国よりはるかに高くなったのです。もし不動産と株式市場が中国の超過発行通貨の「貯水池」として吸収していなければ、物価上昇は更に凄いことになっていたでしょう。こうした状況の下で、米国が人民元を切り上げろというのは完全に実情に会っていません。おそらくこうした状況を話し合っている時には、米中の役人たちは、どちらも非公開の席では完全にお互い了解していることでしょう。

 今年1月に、Jacob Lew前財務長官は、離任前にウォールストリート・ジャーナルの取材に、過去18カ月、中国が人民元防衛のためにとってきた手段を見ると、明らかに中国政府はもう既に人民元を不公平貿易で有利な立場を得るために使うのはやめている、と語って居ます。もし、中国政府の最近のそうした動きを十分、注意して見ない間違いを犯し、軽々しく中国を為替操作国に認定したりしようものなら、中国と他の地政学的に重要な問題、例えば北朝鮮の核問題などでの協力がうまくいかなくなる危険があると指摘しました。

 

地政学的な政治利益の衝突の可能性は存在

 「ロイター」のトランプ・インタビューの内容の中国に関わる部分は、為替操作や朝鮮の核兵器への中国の影響力、中国の南海での海軍の軍事活動などを含んだ広範なものです。米国がこれまで中国と交渉する際には、前財務長官が言った通り、経済的利益分野の話で中国の地政学的な政治上の協力を得るというのが常でした。

 中国は2月18日に、国連の対北朝鮮制裁を行うために、今年は全面的に朝鮮からの石炭輸入を禁止する措置を宣言しています。トランプはロイターの取材に、中国のこの制裁に感謝すると言い、同時に北朝鮮の最新ミサイル実験に大変腹を立てて「朝鮮の問題は大変深刻で、大変危険だ」と言いました。「中国は朝鮮に対して巨大なコントロール力を持っている。もしその気になれば簡単に朝鮮の問題を解決できるはずだ」と指摘しました。

 この話の後ろ半分は中国の習近平国家主席にとっては「聾啞者がとても苦い植物の黄連を食べる」—苦しくても人には本音を言えない話—です。北朝鮮に対する中国のコントロール力はもう以前のようにはいきません。特に金正恩が政権に着いてから、新中国派に対しては情け容赦ない粛清をやってのけ、北京には北朝鮮をどうこうする力がない、ということをわからせました。核兵器について言えば、北の核兵器は江沢民の時期に援助を受けたのですが、いまや中国と北朝鮮の国境付近は核廃棄物のゴミ捨て場です。オオカミを飼ったら最後に餌をくれた主人に噛み付いたというたまらない結果は、北京は絶対に対外的に公に認めたくないことです。そして、中国の南海での意図は、周辺国家とか米国とは完全に対立するものですから、とても話し合いのテーブル上に出せるものではありません。ですから、北京はトランプがロイター」のインタビューの中で、中国に触れた部分については満足してはいません。で、海外の宣伝メディアを使って、中国の習近平主席との電話会談には満足だったと言いながら、南海での争いや、朝鮮の核の脅威、国際貿易などの方面では中国を排斥していると言わせています。

 中米関係の極めて複雑な数々のしがらみを考えると、今後2年内は中国はただ国際情勢の変化によって、米国と多くの面で互いに影響を与え合う中で利益のバランスポイントを模索するしかありますまい。中国から言えば、比較的有利なのはまさに副大統領のマイク・ペンスが言うように「トランプの率いるのは『言ったことをやる政府』」であって、現在、関心のある重点ポイントは米国内のことで、オバマ大統領時代の「オバマケア」、税務改革、違法移民制裁などを含む大量の改革です。これらは政府の大量のエネルギーと時間を消費するでしょうから、北朝鮮問題の動きで無茶なことをせず、中国が南海で島の埋め立てを停止すれば地政学上の摩擦もそれほど多くにはならないでしょう。中国が為替レート操作国家にされなければ、中国も比較的多くの経済を調整する国際的な余地が得られますし、中国国内の経済病因をうまく調整できるかどうかは、これはもう完全に中国自身の問題と言えます。(終わり)

 拙訳御免。
 原文は;中美经济战泡沫消退,地缘政治摩擦犹在 http://www.voachinese.com/a/heqinglian-blog-us-china-economy-20170225/3739989.html 

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