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★「新上昇サイクル」などありえない中国経済★2017年8月28日

Posted on August 28, 2017August 28, 2017 By minya-takeuchi No Comments on ★「新上昇サイクル」などありえない中国経済★2017年8月28日

 この一年ちょっとの間に、中国の経済政策の重点は金融問題でした。「7人の敵あり」ではないけれども、まず金融の堤防決壊の危険で、これをまず防がなければなりませんでした。しかし、その原因はと言えば、銀行の不良債権が不動産バブル、地方債務、国営企業の負債から生まれており、これはまた別の問題を生じました。

 金融問題を整理した後の金融改革のポイントは、金融分野ではなく、財政体制と国営企業の手術でした。地方財政が過度に不動産に頼っており、国営企業がゾンビ企業になっても、まだ銀行が輸血を続けなければならないことこそ、中国の資産の質を劣化させているのです。はっきり言ってしまえば、中国は、国営企業の市場化改革を必要とするだけでなく、政府の投資が経済を牽引するという成長モデルそのものを放棄しなければならなかったのです。

 ★中国経済成長モデルの深い病根

 中国国内メディアの経済全体に対する判断では、普通は厳しい用語は使用を避けます。政府側は、更に、「積極的な用語」を使って誤魔化しますから、一体、経済の問題がどれほど深刻なのかは、一般の人々にはほとんど理解出来ません。そして、一部の人々の間には、僥倖を望む心理が生まれます。典型的な例では、最近、中国の経済研究者の一部に「新周期」の到来をめぐっての論議があります。彼らは経済周期説のテクニカル分析を使って、「中国経済は、既に谷底を通過したので、今後は反発時期に入る」と期待しています。こうした期待は、企業と地方政府が共に、期待している「早く困難な時期を脱して、軽々と成長出来た昔に戻りたい」という気持ちを表現しています。

 しかし、こうした周期はもうやってこないのです。というのは、その前の周期で経済成長を牽引した「三頭の馬車馬」が、既に存在しないからです。2009年に始まった、中国経済の成長は貨幣の増発行によって牽引されてきました。中国経済体制改革研究会の前副会長・石小敏は今年、6月19日に経済観察研究院の取材に対して、経済が苦境に陥った原因を指摘しています。彼は率直に「毎年発行した通貨は、部屋の中に溜め込まれるのを除いて、すべてみな債務の連鎖に入ってしまった…不動産にすべてを賭けて、どんどんそこに溜まってしまってどうするというのか…もう今や、それは続けられない……この2年間を米ドルで計算したらGDP(国内総生産)の成長はほとんどゼロですよ」と話しています。

 同様の話は、とっくの昔の2010年に、全国人民代表大会財経副主任の呉暁霊がこう言ったことがありました。「2009年以来、中国中央銀行の通貨供給量は、日本、米国、欧州連合を追い抜いて、世界最大の”通貨印刷機”になった」と。2012年、全世界の通貨増加額は26兆人民元でしたが、中国がほとんど半分を占めました。21世紀ネットは、一人当たり平均なら、中国の通貨発行は全世界のトップである、としています。

 2013年5月13日のリヨン証券のレポートでは、中国の債務総額は107兆元としています。データは、債務の半分以上が、2009年以後の4年間に増えたことを示しており、その規模はGDPの110%で、その大部分がシャドーバンクと債券で、極めて大きな債務の危機に直面しているとしています。このレポートが、中国のGDPの急激な成長は、その実、大量の起債に支えられていることを示しています。借り手は誰かと言えば、当然、銀行です。起債者はいずれのお方かと言えば、地方政府、国営企業です。地方政府は、土地によって財政を支え、土地取り上げによって、「7通1平」と呼ばれる、水道、電気、道路、郵便、通信、暖房、天然ガスか石炭ガス、土地開発に、全て必要な資金を銀行から得ています。地方政府は、治安状態を維持するために、労働者を失業させるわけにはいきませんから、これまた銀行から”輸血”してもらわねばなりませんし、企業を維持せねばなりません。たとえ、ゾンビ企業になったとしても、その製品が市場の要求に合わずに倉庫に積み上がっていたとしても、操業を続けて、労働者に給料を払い続けるのです。

 もし財政体制や国営企業を手術しないならば、銀行の不良債権整理をまたやる羽目になるでしょう。朱鎔基、温家宝の総理時代、どちらも大規模にやりました。

当Webサイト連載のブログ集改訳;日中両文収録 
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 ★チャンスはもうこない

中国は改革開放以来30年、千載一遇のチャンスに恵まれて、確かに軽々と経済成長をやってのけました。1989年以前は、国際資本が発展途上国から東南アジアに移る時期でしたし、中国は「四匹の小龍」に比べて、更に低廉な労働力と土地コストで、四匹のうちの、三匹をアウトにしてしまうチャンスに恵まれました。1990年代には、米国がリードするグローバル化の波に出会い、中国政府は、外資導入して、世界の工場隣、輸出拡大、市場開放と交換に技術導入(まあ、知的財産権侵害という芳しくない方法ではありましたが)を果たし、この二つの手段を通じて大成功しました。そして、同時に、不動産開発産業を、その経済発展のトップ産業として、地方財政を大黒柱としました。この二つのルートは、もう二度とありえないチャンスです。この「近道」の上を「馬を放って好きなように走らせた」のです。ただ、政府は「近道」を行くのは簡単でも、それは先の短いもので、それが終わってしまったときに、地方政府には、他の手段は何もないという点には、目を向けませんでした。

 歴史は中国に前代未聞のチャンスをもたらしました。1990代初めのグローバリズム開始後数年で、中国は世界貿易機関(WTO)加盟を果たし、投資(2001年から2010年の外資中心)、輸出、内需の三頭立ての馬車馬が引っ張る中で、10年以上の輸出好景気を生み出し、輸出は毎年25%以上の高度成長を遂げました。まさにこの十数年が、中国を世界第二の経済体に押し上げたのでした。しかし、中国の労働力は、全世界の就業人口の26%を占めます。つまり、たとえ全世界のあらゆる先進国の全マーケットが、ら中国に与えられたとしても、輸出景気はいつまでも続くものではなかったのです。ましてや、中国の労働力のコスト、社会保険の支出、政府の税収、土地、エネルギー価格は、不断に上昇し、輸出加工型企業のコストはますます高くなり、外資の利潤は次第に侵食され、最後には大量の工場閉鎖とお引っ越し、ということになりました。こうして、輸出景気は、容易にやって来たけれども、消え去るのも早く、また再び作り出すことも出来ませんでした。

 輸出景気が失われる前に、アメリカの2008リーマン・ショックの爆発による金融危機がありました。中国政府は大いに心配して4兆元の資金をつぎ込んで、全国的な大土木工事を行い、そっと「投資」の馬車馬を外国の投資から政府投資に取り替えました。これを見習って、各地方政府も経済発展の希望をすべて、不動産開発の上に置いたことで、前代未聞の不動産ブームが起こり、10年足らずの間に、土木景気は、輸出景気に代わって中国の経済繁栄を支えると共に、30年間分もの住宅需要に応じられる巨大な不動産バブルを作り出したのです。今、まさに不動産業界の大物の潘石屹が、証券日報で発言しているように、不動産業界の発展規模は天井にぶつかっているのです。中国政府は、「黒鳥」を警戒すると同時に、更に「灰色サイ」を防がねばならず、最大の「灰色サイ」が不動産バブルなのです。
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 ★新たな経済成長手段がなければ、周期もない

 私は、中国人が好き日々を過ごせるよう、中国経済が新たなサイクルを迎えるのを望んでいます。しかし、いくつかの条件が、そんなことはありえないことを示しています。

 (1)先進国から中国への産業移転は続きません。これはトランプの「製造業米国回帰」のせいではなく、中国の土地、労働力のコスト的優位がもう二度とな句、税金面での優遇措置もなく、それに加えて、中国の制度的なコストや、外国資本吸引力に限度があるからです。中国の優位性はもともと、廉価な輸出商品ですが、今、その点では東南アジア国家のベトナムやバングラデシュ、スリランカなどに敵いません。

 (2)江沢民・朱鎔基、胡錦濤・温家宝の両政府の近視眼的な政策と誘導は、企業を「手っ取り早い金儲け」に向かわせました。輸出景気の時期に、企業はただ模倣と、外国企業技術、設計のパクリによって、兎にもかくにもコストを抑え、市場拡大へと走ってしまいました。そして、産業水準を上げる自主技術開発をなおざりにしてきました。ですから、中国は、「世界の工場」と呼ばれはしたものの、かつての英国が世界の工場であった時期の科学技術の実力は全くありませんでした。土木プロジェクトの景気の段階では、多くの企業が不動産転がしに夢中になりました。こうした経済発展モデルは、短期内に荒稼ぎは出来ましたが、企業発展のためにスパートするパワーはありません。いったん、輸出が滞りだし、土木プロジェクトのバブルが大きくなり過ぎると、企業は突然、「手っ取り早い金儲け」が出来なくなっていることを発見しました。そして、「手っ取り早く儲けた」それまでの利益は、すべて不動産に投じられていました。生産能力過剰の時にあっては、企業は技術開発の実力をアップすることは、もはや出来ません。例をあげれば、機械工業は今、生産能力過剰ですが、技術といえば、全て先進国がこれまでの何年間かの間に、中国に投資した際に残されたコピーであって、一部の肝心な部品も、自分たちで研究開発する能力に欠けるのです。例えば、車の自動変速機は今に至るまで輸入頼みですし、ボールペンの芯のスチールボールも、ごく最近やっとなんとか全国で作れるようになったばかりです。ハイテク業界は、もともと中国のウィークポイントで、たとえいささか優れたブレークスルーを果たしたとしても、全面展開して、リードすることは出来ません。「メイド・イン・チャイナ」は数多くても、世界に通じるブランドはありませんし、劣った製品、の代名詞です。

 新たな経済のサイクルの出現を待ち望むには、新たな経済の成長ポイントがなければなりません。中国は現在、かつての棚ぼたのチャンスはありませんし、マーケットを奪えるだけの技術的実力もありません。こうした劣勢にありながら、なお中国が経済発展の新サイクルに入ることを望むのは、大変非現実的です。ましてや、中国には膨大な失業人口がおり、金融危機が潜在し、製造業が不況に陥っている時に、です。というわけで、非現実的な期待をかけるより、中国経済に、実力を蓄え、あらたな経済成長の動力を生み出すために、「骨を開いても病毒を退治する」治療を行うべきなのです。(終わり)

 拙訳御免。
 原文は;何清涟:中国经济之病,根在经济增长方式
中国——とっくにクライシス、なのに崩壊しない“紅い帝国

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